これ、なにか知ってるやつおる?⑵

ログ:コミュニティアプリDeathcord>暇人たちの寄り合い所>チャンネル名【#ぐつぐつオババについての考察】


管理人:

さて、それでは改めましてよろしくお願いします。ここは「ぐつぐつオババ」なる人物が何者か、そしてキヨシさんに託されたものが一体何だったのかを徹底的に考察するチャンネルです。早朝にもかかわらずお集まりいただき感謝します。


耳耳耳:

まあ早朝というか宵越しなんだよね


あきら:

よろ。寝ようと思っていたのに気になりすぎて寝れん。


キヨシ:

さっき元のチャンネルで貼った画像、こっちにももう一回貼ってもいい?

見落とした人もいるだろうし。


管理人:

どうぞ、ぜひお願いします。私がいろいろ仕切ってしまっているみたいですみません。


キヨシ:

ほい[画像:https://kakuyomu.jp/users/overq/news/822139842799125954


あきら:

うわ、きた。


耳耳耳:

改めて見ると、やっぱこれグロい……。でもモザイクしてるのはえらいな


kanariablue:

なんていうか、生々しいんだよね色味とか質感がさ。化石っぽさもあるからまだ許せるんだけど形状が人間の胎児みたいに見える。


キヨシ:

いや、管理人が仕切ってくれるのはむしろ助かります。俺も、あれが本当は何だったのか知りたいので。皆んな、協力よろしくな。


耳耳耳:

任せろ。我々には時間はいくらでもある。なんたって自他共に認める「暇人」の集まりだからなw徹底的に洗おうぜ。


Kanariablue:

でもさ、さっき管理人さんが言ってたけど、キヨシさんが託されたのは「鯨の胎児」ってことでFAなんじゃないの?


あきら:

いやいや、仮にそれが鯨だとしてもさ、それが「ぐつぐつオババ」にとってどういう意味を持つ代物だったのか、そこを考えるのがこのチャンネルの趣旨でしょ。

なんでそんなもん持ち歩いてたのかって話。


にょもる:

子供にお菓子をあげるっていう一見いい人そうな行動と、「ぐつぐつ」という不気味な擬音。

どうしても、何かを鍋で煮込む魔女を連想しちゃうんだよね。そういう童話、昔読んだことある気がする。


管理人:

グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』ですね。私も真っ先にそれが思い浮かびました。

貧しい兄妹が親に森へ捨てられ、お菓子の家で魔女に捕まり、大釜で煮て食べられそうになる……という、あの残酷な寓話です。


キヨシ:

いや、でも実際に会った印象だと、ぐつぐつオババはそんな悪いやつには見えなかったんだよな。

ただ気前よく、ニコニコしながら子供たちにお菓子を配ってるだけでさ。地域の名物おばあちゃん、みたいな。


あきら:

それでいて家の奥では鍋でさらった子供を煮て食ってるんだろ? ギャップが怖すぎるわ。


キヨシ:

違うっての。もっとこう世俗離れした独特な空気感だったんだよ。


管理人:

まあまあ、混ぜっ返しはこの辺りにしましょう。


耳耳耳:

そうだな。包み紙に書いてある文言とか、いろいろ憶測はできそうだけど、現時点では何一つ決定的な確証が得られないいよね。


管理人:

それで皆さん、ひとつよろしいですかね。ログを見返していて気づいた人がいるかもしれませんが、実は私、先ほどからひとつ、ものすごく気にかかっていることが、もう一点あるんですよ。


にょもる:

管理人さんが気になってること?


管理人:

はい。皆さんは、あの資料の中にあった落書きには気づかれましたか?

私は、最後の方にアップしていただいた画像の隅に描かれている「絵」が、どうにも引っかかっておりまして……。


あきら:

隅にある絵?

そんなのあったっけ。


耳耳耳:

落書き、ですか。文字の羅列に圧倒されて、端っこまで見てなかったな。


管理人:

そうそう、落書きです。

ちょっと本筋の「正体」探しからは脱線してしまうかもしれませんが、お許しください。

実は私がわざわざこのような別チャンネルを設けたのも、どうしても皆さんと「この部分」についてじっくり共有し、お聞きしたかったからなんです。


管理人:

このルーズリーフらしい、安っぽい罫線の引かれた複数枚の用紙。ここには住所や名前、それに「腕」「眼球」といった身体の部位などが羅列されていますね。

で、どなたかも既にご指摘されていましたが、それ以外にも、よく見ると細い走り書きがびっしりとありますよね。


Kanariablue:

あー、確かに。あれは正直、直視したくないレベル。なんか、執念というか念がこもってるみたいな怖いやつ。

「ごめんなさい」とか「許してください」とか、謝罪の言葉ばかりが紙を埋め尽くしてる。


耳耳耳:

取り込みの解像度が粗くて分かりにくいですけど、恐らくシャープペンか鉛筆かな。筆圧がバラバラで、ほとんど強迫観念みたいに、余白という余白に謝罪文が書いてあるね。あれは精神的にくる。


Kanariablue:

確かに、あちこちの隙間に執念深く書いてあるのは分かってた。


管理人:

それで、キヨシさんがあげてくれた「最後の画像」の、右下の余白部分を、もう一度よく拝見いただきたいんですが。


耳耳耳:

あ。本当だ。ここにも何か書いてある。文字じゃなくて、もっと図形っぽい絵のようなもの?


あきら:

ああ、これか。確かにおかしな落書きがあるね。


にょもる:

ちょっと線が細くてかすれてるから、スマホの画面だとわかりにくいかも。


キヨシ:

OK、ちょっと待って。その部分だけコントラスト上げて拡大したやつを今アップするぜ。


メダカ(監視中):

たすかる。


管理人:

ありがとうございます。皆さん、これを見て何か「既視感」というか、思い当たる節とかないですかね?実は私は、これにすごく心当たりがあるんですけど……。


じゃがまる@ぶらり下車の旅:

なんだろ。ズームしてみるか……


kanariablue:

なんか、キモ可愛いモンスターみたいなのが描いてあるね。人間のような、でも形が崩れた瓢箪(ひょうたん)つぎみたいな不思議なキャラクター?ゆるキャラにしては愛嬌ないやつ。


耳耳耳:

よくそんな細かいところまで読み取れるね。


じゃがまる@ぶらり下車の旅:

このキャラ、手に何か持ってるけどなんだろう?


kanariablue:

えーと、丸が三つ縦に並んでて、下に一本の縦棒。お団子かな?


フー太郎:

なんか吹き出しまでついてて、喋ってるっぽいけど。漫画のひとコマみたいな。


キヨシ:

まあ、単なる暇つぶしの落書きだよな。

俺も中学の授業中、教科書の隅にこういう意味不明な落書きを量産してたのを思い出したわ。


メダカ(監視中):

吹き出しがある以上、何かを喋っているようですが、そこだけ結構かすれてて文字が読めませんね。


じゃがまる@ぶらり下車の旅:

「×ま×です」……かな。「××です」って自己紹介してるっぽくない?


キヨシ:

現物が手元にある俺が目を凝らしても、正直読めないんだよな。

なんかそこだけペン先が震えてるというか、ごちゃごちゃしてんのよね。


にょもる:

あ、ちょっと待って。この落書き、私、つい最近どっかで見たことある気がする。デジャヴじゃない。


あきら:

俺もだ。何となくずっと引っかかってた。これなんだっけ?どこかの掲示板かSNSか?


にょもる:

あっ!そうか。思い出した、シールだ!街中の電柱とかに貼ってあるやつ!


耳耳耳:

シール?

ああ、あれか!ちょっと前にネットで流行ったあのステッカーのことか。


あきら:

あ。俺も今繋がったわ。そうだ、名古屋とかの路上で一時期大量に見つかって話題になったあれな。


kanariablue:

えっ、何のこと言ってる?ごめん、分かってないの私だけ?誰か詳しく教えて!


にょもる:

これのことですよね。このデザイン……一致しすぎてて鳥肌たっちゃった。

[リンク:わくわく百科事典>ゐびすシール]



ログ:インターネット百科事典>わくわく百科事典>ゐびすシール


ゐびすシール(いびすしーる・wyibisushiel)

タグ:アート/オカルト/珍事件


「ゐびすシール」「いびすシール」などと呼ばれる街頭に貼られたステッカーの一種。


中区や昭和区をはじめとした名古屋市の各所に奇妙なシールが貼られていると、2019年の春頃から報告が寄せられていた。

七福神の恵比寿のような顔をした長い毛に覆われた生き物が書かれていることから、通称「ゐびすシール」と呼ばれるようになり、ネット上ではさまざまな憶測が飛び交っている。


イラストには何パターンか存在しておりいずれも団子やアイスクリームなどの菓子を手にしている。

また漫画の吹き出しのようなものが添えられているが何も書かれておらず、代わりに下部には携帯電話番号と「教えて下さい」という記述がある。

これらが何を意味しているのかは未だに分かっておらず、その怪奇な雰囲気が話題に拍車をかけている。


名称が「えびす」ではない理由としてはSNSで話題となった際、その発端となった発言者が「ゑびす」と旧字体で書こうとし、誤って「ゐびす」と書いたからだとされている。


その奇妙な外見から、ネットでは検索してはいけない言葉としても扱われる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る