旅立ちの前の二人

俺たちは手を繋ぎながら家へ向かってると近くに住むおばあちゃんに出会った。


 「二人とも仲良いね。真衣ちゃん好きな人とまた会えて本当に良かったね。匠くんだったっけ? 真衣ちゃんは町でもみんなに好かれていたけど、どこか寂しさを感じてたけど匠くんと会ってから毎日本当に幸せそうな顔をしてて私は安心したよ。匠くんこれからも真衣ちゃんのことよろしくね」


 そう言うとおばあちゃんはトコトコ歩いて行ってしまった。真衣がこの世界に来てからも俺のこと考えて寂しさを感じていたことに俺は嬉しかった。これからは絶対に寂しい思いをさせないように守りながらずっと側にいたいと心に決めた。


「手を繋いで歩いてると昔、手を繋ぎながら買い物行ったり散歩したりしたこと思い出すね。俺にとってそれが一番幸せな時間だったよ」


 俺は真衣が亡くなる前の事を色々思い出しながら真衣と話しながら歩いていた。


「私も一緒にいた時間が一番幸せだったし、たっくんの事こっちに来てからもずっと考えてた。だからもうあんな風に離れるのは絶対にイヤだ。だからこれからも側にいて一緒に笑い合っていたいね」


 真衣はこっちの世界に来て寂しい思いしても俺のことを一途に思い続けてくれていた。


 「あんな風に離ればなれにならないためにも守れるだけの力を手に入れてずっと側にいてたくさん思い出作ろうね」


 俺は真衣と過ごす時間を大切にしながらこの生活がずっと続けられることを祈っていた。


 家に着き一緒にご飯を作り一緒に食べることにした。

昔は良く一緒にご飯を作って食べていた。


「やっぱり一緒にご飯食べる人がいるのって幸せなことだね。この肉じゃが美味しい。この世界って食べ物が日本に似てるんだね」


 この世界に来て間もないから分からなかったが食べ物は日本にいた頃と変わらない物を食べれていた。


「そうだね。結構食べる物は結構日本と変わらないね。だからこそこの世界に来てからも食べ物が変わって大変って事は無かったよ」


 俺はホントまたこんな時間が訪れた事が今でも信じられない。真衣が亡くなってからはずっと一人で料理もせずに簡単なもの買ってきて食べていたのでやっぱり手料理は美味しかった。それに話しながら食べるご飯は美味しいし温かい気持ちになった。


「明日から旅に出るし何か簡単に食べられる物を買っておきたいね。王宮までどのくらいかかるか分からないし」


 俺がそう言うと真衣は「王宮まではそんなに遠くないんだよ。二、三時間くらいで着くからそんなにたくさんの食べ物は持って行かなくて良いと思う」


 王宮はもっと遠いのかと思っていたので思ったより近くてビックリした。


「この町に大きなギルドがあるのは王宮が近いのもあるんだ。このギルドから王宮へギルドの方を派遣したりする事もあるんだよ」


 この町のギルドはかなり大きいから俺はその言葉も納得だった。

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