体育祭 代表リレー
そして最後の競技、代表リレーの時間がやってきた。
「ついにリレーまできたね。せっかくうちの組が一位になるチャンスがあるならこのリレー勝とうな」
拓人がうちのクラスのリレーに出る千紗さんと雪さんと僕に伝えていた。やっぱりこういう時に拓人のリーダーシップは凄いと実感する。
「じゃあ俺は最初だしそろそろスタート地点に行くね」
そう言い拓人がスタート地点に向かって歩いていた。リレーは校庭を半周して次の走者に変わる。拓人と一緒に雪さんがスタート地点に向かい僕と千紗さんが反対側に向かって歩いていった。
僕は少し緊張しながら僕たちのスタート地点に向かった。千紗さんは平常心で緊張しているように見えなかったので尋ねてみた。
「千紗さんは緊張とかしないの?」
僕が千紗さんに聞くと千紗さんは「うーん。部活の大会の方が緊張するし体育祭なんて勝とうが負けようが関係なくない? 私は中学の頃のバレー部の最後の大会の方が緊張した。部活は負けたらそこで終わる。でも体育祭は負けたとしても何もない。だからこそそんなに緊張することは無いね」
部活の大会の方が緊張するのは僕も気持ちはすごく分かる。自分のミスで試合に負けることもあるスポーツの試合は本当に緊張していた。だからこそ千紗さんの気持ちもわかるが負けず嫌いな僕は体育祭でも負けたくなかった。
「でもやるからには勝ちたいじゃん。千紗さんは負けず嫌いじゃないの?」
僕が尋ねると千紗さんは「うーん。部活以外はそんなに負けず嫌いではないかな」と言っていた。
「そっか。でも僕は出来ればこのチームで勝ちたいな」
「まあ負けるつもりは無いけどね」
千紗さんの言葉を聞いてやっぱり負けず嫌いなんじゃんと思った。そしてリレーの始まりのピストルの音が響いた。
部活の中でもかなり足の速い拓人はトップで千紗さんにバトンを渡した。千紗さんもバレー部なのもあって運動神経は良くそのままトップで雪さんに繋がった。雪さんも足が速くトップで走り抜くと思ったが途中で速度が下がり二位に落ちてしまった。僕は心配になりながらもバトンを待った。なんとか二着で僕の元にバトンが来た。
「ごめん。抜かされちゃった」
雪さんの小さな声が聞こえて僕は答えた。
「大丈夫だよ。任せて」
僕はバトンを貰い走り出した。トップまでは少し離れていたが足の速さに自信があった僕は全力で前を追いなんとか一位になり先輩へとバトンを繋いだ。
「お願いします」
僕が先輩に託した。すると先輩たちも皆足が速く一位を守り抜き最終競技の代表リレーは二組が優勝した。そして優勝の組が発表の時間になり最終的に僕たち二組が体育祭の優勝を手に入れた。
だが僕が何より心配だったのは雪さんの足が大丈夫かのかだった。リレー後に救護テントに向かった雪さんが心配でチームの優勝が決まっても素直に喜べなかった。
僕だけに素っ気ない高嶺の雪さん アカト @akat19890907
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