戦場

墓場のユウレイ

第1話

王であるというだけで、選択肢は狭まる。

すべてを守る立場に立った瞬間から、自由は失われていた。

誰もが王に判断を委ねる。

だが、判断とは常に、何かを切り捨てる行為だ。

それを繰り返した末に残ったものが、本当に守るべきものだったのか――

王自身にも、もう分からない。

沈黙が重い。

臣下は揃っているはずなのに、心許ない。

どこかに抜け道がある。

そう信じなければ、王でいる意味がなくなる。

考え続ける。

だが、思考は同じ輪を描くだけで、前へ進まない。

この国は、まだ続く。

続かねばならない。

そのために、王はここに在るのだから。

それでも、胸の奥で何かが囁く。

もう終わっているのだ、と。

長い沈黙ののち、声が落ちた。

「チェックメイト」

まさか、甥に負けるとは……。

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戦場 墓場のユウレイ @u-ray_hakaba

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