イオリユウ、23歳。
可憐な美少女、華奢な体型に中性的な髪型。全ての「可愛い」要素が揃った声優。
ある作品の太陽王子と呼ばれる少年役にキャスティングされ、世間で話題になった。
ただ、彼には悩みがあった。
それは、容姿だ。
彼の見た目は美少女そのもの。
だが、性別は男だった。
そして男として見て欲しかった。
だけど、自分に合う服がなくて、メンズの服を着ると全て、少し背伸びした小さな女の子のようになってしまう。
世間でも彼のことを「可愛い」「尊い」と称賛し、誰も彼の本質を見抜けていないようで、いつしか彼は精神的に心のうちに閉じこもっていた。
同じ事務所でも「ちゃん」付けで呼ばれたり、楽屋も女性用に案内されそうになる。
自分は男として認められたい。
今の時代、声優はビジュアルでも勝負するようになって、悪く言えば声は二の次のように扱われていた。
彼の声よりも見た目、声よりもギャップ。
誰かに声で認められたい。
大ヒット作の後も、大きなオファーが舞い込む。
果たして彼は、誰かに本当に認められるのか?
彼は、何がしたいのか?
そして、自分の行く道を決めることができるのか?
ぜひご一読を。