遊遊儀会

陽炎ザクロ

第1話

「よ、元気か」


「ああ、そこそこな」


 俺は親友に疲れ切っていても心配されないようにそう告げる。


「魔術の理論学の為になるかわからないけどさ、都市伝説って知ってるか」


「妄想の産物だろう」


「でもさ、何か糸口になるならって思って情報しいれたんだわ」


 俺は親友に言われた内容の通り、街外れの古代遺跡に着ていた。

 そして崩れている女神像の前に銀の聖杯を置き、そこにワインを注ぐ。

 そして白いローブを着て西側を向き目を瞑り、松明を掲げながら呟く。


「我、子孫にして王家の血を受け継ぐものなり」


 すぐに蛇の血を聖杯に注ぐ、だがその時に蛇に噛まれた。


「しまった……」


 蛇を強引に引き剥がし、蛇を投げ捨て、傷口から毒を吸い出そうとしてみるが、すぐに息苦しくなり、地面に倒れると聖杯にぶつかった。


(何もかも終わった)


――――ドンッ


「かはっ」


 俺は壁に叩きつけられ目が覚めたが身体の痛みで起き上がる事ができない。


「何故、人間が我々の会合に訪れることができた」


 薄めで周りを見れば、金糸の髪の人たちが白いローブに神秘的な半面をつけている。

身体は痛むが心は胸躍っていた、古代人と対面することが出来ている。魔術の真髄を教えてもらえるかも知れない、と。


「た、そがれの、かい、ですか」


「そうだが、それよりも質問に答えろ」


「げんだいに、伝承が、伝わって」


「もういい、死ね」


「待って……」


 俺はローブを着た半面ではなかった人物の虹色に光る炎によって消し飛ばされた。


 身体中に違和感を感じる。

 そりゃそうだ、丸焦げだもんな、いつ死ぬんだろう。

 少し肌寒い。

 さむっ。


「あー」


「エルが何か話そうとしてる?」


「生まれたばかりでそれはないだろう、でも可愛いな。産んでくれてありがとう、ララ」


「産みたいっていったのは私なんだから」


「でもよく頑張ってくれた、ありがとう」


「ダリアンも付き添ってくれて、ありがとう」


えっと何やら幸せそうな会話ですけど、俺居たらおかしくない?


「エルが口もぐもぐしてて可愛いわ」


目を開ければ、薄緑色の髪の耳が長い女性に俺は抱かれていた。

その隣には白髪のガタイのいい男性が居る。

二人とも俺を見ると嬉しそうに微笑んだ。


俺はこの日エル・ローとして転生した。

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