親との約束

@shizukuchat

第1話

母と父は昔から、岡本家ではきまりがある。「ゆうちゃんでかける時はどこにいくのかちゃんと言うのよ。」小さい時からいやというほど、いわれ続けている。はじめは、いちいち親に言うのも恥ずかしかったし、何よりなぜ言う必要があるのか分からなかった。

そんな日々を過ごしているなか、小学二年生の夏休みの時だ。僕は冒険というものに憧れていた。それまで、友だちと近くの公園などでしか遊んでなかったことからである。夏休み前、ポストに届いてあったチラシを見た。それは電車で3駅隣の夏祭りだ。それに体に電流が走った。これしかないと。決め手は、他の祭りと比べて規模が大きく、そして何より家から遠くでしか見てなかった花火があることだった。

勝負の日、僕は普段使わない財布にお金を入れ、時間を確認するための父の腕時計を借り、そして、もちろん電車賃も忘れずに。

家を出るときに珍しく家に親がいなかった。いつも、いない時は置き手紙を残していくように言われていたけれど、親の手も借りずに、一人で遠くに出かけることの好奇心と興奮ですっかり忘れてしまったのだ。駅前に着いた、僕は事前に調べておいた地図を取り出し電車を間違えないように乗った。電車の中には浴衣を着た人が多くそれに、流されないように背伸びをして吊り革をしっかり持った。駅から降りるとそこには、いろんな屋台があった。

一番手前にあったフランクフルートを食べた。金魚すくいもした。射的もした。タコ焼を食べた。そして、目的の花火を見ることができた。親と一緒に来なくても一人でたどり着いたことが嬉しかった。気付けば、時計の針は七時を指していた。いまから、家に帰ると八時を過ぎると思った。とてもじゃないけど、怒られるのを回避することは難しいと感じたのだ。

そう思うや今や僕は急いで電車に乗った。 

駅につくと、必死に帰り道を走った。家の近所になると、一台のパトカーが家の前に留まり両親と話しているのがが見えたのである。急いで家の前の坂道を下る。それに、両親は帰ってきたことに気付き近づいてきたので、僕は怒られるかと思ったが次の言葉に絶句した。「漏らしてるw」と笑われたとが。帰り道怖くて漏らしていることに気付いていなかったのだ。次の日から僕のあだ名はダダ漏れとなった。

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