能力赤ちゃんとか言う雑魚能力いらないと思ったら最強だった!

メッタン

能力赤ちゃんとか言う雑魚能力いらないと思ったら最強だった!

 ドキドキワクワク、13歳となった今日、私は能力授与の儀式に参加している。


 貴族以上に生まれたものは、たまに平民でもそういうものがいるが、貴族以上に生まれたものの大半は13歳になった時に天から能力を得ることができる。



 ということで13歳になった私はどんな能力が得られるのだろうと思っているのであった……




 神父さんが言う「スカーレット公爵令嬢、貴女の能力は……赤ちゃんです!」




 え?赤ちゃん?




「な……何よそれ赤ちゃんって何?」




「……実は能力の詳細は我々にも分からないのです、皆自分で色々試して発見していくものなので……」




「ふざけないで!赤ちゃんとかワンワン泣くだけの役立たずじゃない!こんな能力って何よ!」




「……そう言われましても……私が決めるわけではなく天からのギフトですので……」





「舐めてるの、私は公爵家のスカーレットよ!こんな侮辱あんまりですわ!」




「たかが公爵令嬢ごときが何をほざいているか!」



 こんな声が聞こえた……げ……同い年の冷酷王太子様のアルベルト様では無いか……




「……王太子様、私は公爵令嬢ですの、だから神父に舐められるいわれはありませんわ」




「黙れ下郎が!貴様ごときがイキっていい権利があるとなぜ勘違いしている、仮にあるとしても、余がやめよと言った以上控えぬか!」





「……申し訳ありません……」




 ……このように王太子様はいつも横暴で尊大で、私を尊重して下さらない……



 きっと王太子様も能力の儀式に来たのだろう、もっと文句言われる前に私は逃げ帰ったのであった……





 家に帰るとお父様とお母様もあきれ果てて失望した表情をする……




 そりゃ能力赤ちゃんではね……



 でも泣きたいのは私のほうだ!こんな恥な能力があるくらいなら、いっそ能力無しのほうがマシなくらいだ。


 たまにそういう貴族がいて、内心馬鹿にされても、流石に情けということで、皆表面的にはそれを隠すのだから!



 人に聞かれた時どうしたらいいの?赤ちゃん何て言いたくありませんわ!



 ということで私は神様と天を呪ったのであった……



 私が何をしたと言うの?前世で悪の限りを尽くした令嬢だったとかでも言うの?




 私は悲しみの余り1人で悶々としていたら眠ってしまったのであった……





 すると夢を見た、夢の中で赤ちゃんが突然私に話しかけてきた。



「自信を持って!赤ちゃんの能力は君にとって素晴らしいのだから!」




 ええ?私が赤ちゃんに話しかけられたことに驚いていたら夢から覚めたのであった……





 ……何か妙に生々しい夢だったわね、本当に凄いの?




 私はだったらどこかで試してみようと思うのであったが……


 すぐに決心が鈍るのであった……




 だって赤ちゃんって人前でワンワン泣いてお漏らしをするだけの存在でしょ?


 もしも私がそんなことをしてしまったら、一生外を歩いていけないですわ!


 論外よ!


 ありえない!


 やっぱこんな能力使うなんて一生無い、私は無能力者だったんだ!そうに違いない!

 そのほうがマシだ!



 そう思って本日もお城に向かうのであった……



 上位貴族は城の古老の先生に教育されるようになっていて、当然私も参加している。


 下位貴族は貴族学校に行くことが多くて、上位貴族の責任の重さのためということなのだ。





 そして向こうから王太子様が歩いてくるでは無いか……



 私は会いたくないので緊張をしてげって思ったら、持っているカバンを落として中の教科書をばら撒いてしまった!



 ああ何やってるの!


 私が慌てて拾おうとすると、アルベルト様は冷たい顔をしてこっちの様子を見るも助ける素振りは一切無い……



 王太子様がこういう方なのは知っているけど、あまりにあまりでは無いか……


 メンタルが弱っていた私は、思わず涙がこぼれてしまったのであった!


 その時に、私の能力が発動した!ってのも何か直感的に分かった。


 能力赤ちゃん発動!?




 すると王太子アルベルト様が突然しゃがみだして、無言で一緒に片づけてくれるでは無いか!



 そして全部集めた後に……




「ば……馬鹿なこの私がこんなアホ女のために手伝いをしただと!?」



 などと困惑している……


 言ってることは失礼極まりないけど、本当にどうして!?



 私も驚いたのであった……





 言っておくがこの人は意地悪だけど優しいみたいな人では無い。


 マジで貴族など下等生物としか思ってない方で、自分以外下郎という価値観の方なのだ。


 流石に父である陛下と母である王妃様は例外みたいですが……




 アルベルト様以上に、アルベルト様の態度の変化に困惑しつつも、その場を離れた私は思った。


 ……もしかして赤ちゃんになったから、助けてもらえたってこと?




 ……私は過去をフル回転で思い出していた。


 あの冷たい王太子様がありえるのかしら?



 でもそういえば、王太子様はあんな性格なくせに、子供にだけは甘い所がある人だった!


 特に同じ母を持つ王女の妹だけには甘い人だった。



 成人の貴族には私以外にも徹底的に冷淡だけど……




 もしかしてアルベルト様は小さいものに弱い?そして赤ちゃんはその中でももっとも小さいものだから、親切にしたってことかしら?




 私が色々考えていると、ある日とんでもないことが起きたのであった。




 陛下から私と公爵であるお父様が呼ばれて言われた。




「うむアルベルトもいつか結婚せねばならぬ、ということで家柄的にスカーレットそなたならば問題なかろう!」




 私は最悪だと怯えたのであった……


 頼むお父様、上手く陛下から断って下さいとお祈りをすると、お父様は……




「ははーありがたき幸せ、これからもますます王家に忠誠を誓うものであります!」



 何て言ってる……


 ああそうだお父様はこういう方だった、別に強欲だったり尊大だったりするわけではないのだが、自分の家の拡張のチャンスを逃すほどの甘ちゃんじゃない!




 するとそこに現れたのはアルベルト様……




「父上正気ですか?たかが貴族の小娘と栄光ある偉大な王家である私に釣り合いが取れるなんてそんな卑屈な精神でどうするのです!」




 本気でこういうことを言うのだから、私にどうにかなる方じゃないって分かるでしょう……




「……そうはいってもそれでは結婚相手などいなくなるぞ」





「こんな小娘共など妾レベルでよろしい!釣り合う相手がいないのなら王妃など不在で構いませぬ、王族の安売りなど論外、子供が欲しいだけならいくらでもなんとかなります!」





 陛下ですら唖然としているが、本当にこういう方なのだ、この方と結婚しろとか無理しかありません?




 そして私の方を向いてアルベルト様が言う……




「貴様のような下郎が、何故私と対等顔ができるとはき違えるのか、論外にもほどがある、貴族の価値観など王家には通じないのだ!」


 などと宣言をして罵倒してくる……



 私はあまりなことにやはり涙が出てきたのであった……




 すると……



「……とは言え、余も言いすぎたかもしれない、忘れるが良い!」



 などと言い出すでは無いか!


 え?私もお父様も陛下すら、あまりの普段にありえない姿に驚くのであった……




 そしてこの様子を見た陛下はチャンスと思ったのか、




「うむアルベルトと結婚できるのはスカーレット以外おらん!」などと宣言をして


 お父様も空気を読んだのか「おっしゃるとおりで!」などと言っている。



 あのさぁ、お父様は娘に地獄に行けと?



 私がますます悲しくなって涙を流すと、



「うむ……私もたまには反省する必要があるようだ、いくら何でもこれでは結婚もできぬわ!」


 などとアルベルト様が言ってる!?



 間違い無い、この人は幼いものに弱いんだ…‥

 だから私が泣くたびに、赤ちゃんが発動するたびに、ちょっとだけ優しくなれるんだ……




 そして能力赤ちゃんを陛下に知られると、陛下はこうおっしゃる。




「スカーレットよ、悪いがそなたしか最早アルベルトの相手になれまい、あ奴はああいう奴で、関係性が結婚向きではない、すべては下でしかないのだからな、だが赤ちゃん能力ならば辛うじて優しくなれるのならば、そなたしか結婚相手にありえない、どうか頼む!」



 陛下に頭まで下げて頼まれたのに断るなんてできない。



 それに泣けば、何とかなるのであれば、私もギリギリ何とかなるかもと思った。



 まさか貴族の誰もが恐れるアルベルト様が婚約ということで驚かれ、


 その秘訣が能力赤ちゃんと知られたことで、私の能力はむしろ尊敬しかされなくなった。



 いらないと思った雑魚能力がまさか最強だったなんて?

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