第2話 お嬢様!お呼びになられましたか?

私は誇り高きブルースター家の現当主、マリア・ブルースター。

今日も私は人間の生き血を……


「お嬢様っ!」


まだ最初のセリフ言い終わってないのだけれど……。


「サラ……。今日はどうしたのよ」


「先日お嬢様に差し上げたベルのことなのですが……」


「ああ、これね」


私は、金のベルを取り出す。


「使っていただけませんかね……」


確かに使ったことがない。

……私が所持している意味がなさすぎる。


「えっと……それだけかしら」


「はい!」


「じゃあ仕事に戻りなさい。あとで鳴らしてあげるから」


サラが部屋から出ていく。

私は、とりあえずベルを仕舞おうと、ベルを手に取る。

と、ベルを揺らしたせいか、音が鳴ってしまった。


「お嬢様!お呼びになられましたか?」


鳴らして1秒も経っていないというのに、サラがやってきた。


「来るの早いわね……。なんでもないわ、間違えて慣らしだけよ。仕事に戻って頂戴」


とりあえず、これ以上鳴らさない様にするため、私はベルを机の上に置く。

そのまま仕事をしようと書類を広げ、うっかりベルを落としてしまった。


「お嬢様!お呼びになられましたか?」


「いいえ、落としてしまっただけよ。あなた、なんでそんなにやってくるのが早いのかしら?」


「はい、お嬢様の部屋の前で、いつ呼ばれても対応できるように待機しているからでございます!」


「仕事をしなさい、仕事を!」


「申し訳ございません……」


私はため息をついて仕事の続きをする。

少しして、書類を全て片付けてから、ランチを食べるために席を立とうと、椅子を引く。

……ベルに当たった。


「お嬢様!お呼びになられ」


「いいえ、呼んでないわ。間違いよ」


ランチを食べる際にもベルを持って行けと言われたため、ベルを持って席を立つ。

ランチを食べ終え、私は昼寝をしにド(棺桶)に向かう。

棺桶の蓋を閉めようと、ベルを棺桶の外の地面に置く。


「お嬢様!お呼びになら」


「いいえ、呼んでないわ」


昼寝から目覚め、ディナーを食べにいく。

ディナーのあとはバスタイム。

と、その前にお花摘み。

扉の外にベルを置いて、お花摘みを済ませ、扉を開ける。


「お嬢様!お呼びに」


「きゃああ!……何かのホラゲーかしら?……呼んでないわよ」


気を取り直して、そのままバスルームへ向かい、脱衣室で召し物を脱ぐ。

風呂に入った時、扉にベルがあたって落下し、音が鳴った。

私は、そこら辺に落ちているたらいを手に取って頭のうえに構え、胸を手で隠す。

と、次の瞬間、扉が開いた。


「お嬢様!お呼」


「呼んでないって言ってるでしょーっ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る