どう紹介すれば、みんながこの小説を読んでくれるのか、めっちゃ悩んでます。
「こういう作品ですよ、面白いですよ」と言いたいんです。
でも、「面白いですよ!」の一言で紹介できる物語ではなくて……。
(小難しい話ではないです! 深く考えず、気軽に小説を読んでほしいです!)
えっと、まず、この作品に出てくるキャラクターたちは、「一言で言い表せる個性」をしてないです。
冷静沈着で優秀な主人公ダイヤ。
その相棒であり特異体質をもつミドリ。
組織の愉快な(?)メンバーたち、依頼人、ターゲット、執事長。
こうやって書き出してみましたが、どのキャラも読み進めるごとに、違う面を見せていく。
登場人物を「わかりやすい属性」で把握しようとすると、だいたい裏切られます。
「こんなキャラかな?」と思った次の瞬間、自分の浅い理解を上回った展開がきて、キャラをとらえなおす。
その「掴めなさ」こそが、この作品の快楽です。
キャラクターがキャラクターとして消費されない。最後まで、一個の確立した人間のまま、得体の知れなさを保ち続ける。
そして、ストーリーの軸が、あらゆる方向に転がっていきます。
単純な、問題→解決ではない。
セリフや地の文では先を見通せない。展開がぱっと強烈に花開いて、次々押し寄せ、花弁が足元に積み重なっていく。そんな感覚で、読者の感性を直接殴ってくる。
アイロニカルでありながら、まっすぐ真摯に向き合ってくる。
構成の妙がすごいんです。
物語は大きく広がり、キャラが縦横無尽に駆けまわり、思惑が重なり、必然性とともに収束していく。
「え、あ、ああ……あ!? ああー!!」という感じです。伝わってほしい。
で、セリフと地の文がいいんだ、これが。
ワクワクしっぱなし。小説としてガツンと楽しませてくれる。
キャラ重視の読者も、文章重視の読者も、読んでてドーパミンがドバドバ出ると思います。
読む麻薬です。読書が好きで良かった。この作品に出会えてよかった。
さて、物語には始まりがあって、終わりがありますよね。
この作品は、読む前と、読んだあと、そのどちらにも続いていく感じがします。
読み終えた瞬間に完結するのではなく、そこからもずっと続く。
キャラがいなくなったあとも、この世界は存在し続ける、そう思えるような存在感。
小説って、作品を通して成長したり、その小説内の社会のあり方が変わったりするじゃないですか。
この小説は、キャラも、その社会も、読む前とほとんど変わらない。
でも、大きな変化を感じます。
何が変わるのか?
読者です。
読者は、誰もが「面白い作品が読みたい」と思っています。
でも、この作品を読んだあと、その欲求は少し形を変えると思います。
「面白い作品が読みたい」ではたどり着けない読書体験を突きつける。
「物語を読む」という行為の、その先を見せてくれる。
何言ってるのか、わかんないですよね。私も雰囲気で言いました。
でも、たしかに、変わるんですよ。
私の言語化がうまくいってない。伝わってほしい。がんばって読み取ってください。
とにかく、『ジュエリーキッドナッパース』は、ぜひ読んでほしい作品なんです。
小難しいことを書いちゃいましたが、そんなのは脇に置いといて、読んでほしいです! 本当に!
私のレビューは信じなくていいのですが、作者は信じていいです!! 読んで!!!