正月アンチが集まった
橙こあら
正月アンチが集まった
「なぜ私が正月苦手なのかっていうと、めっちゃ面倒臭いからです」
「分かる! 親戚の集まりとか地獄だよね!」
「寒いのに遠出なんて、したくない~。家に籠っていたいよ~」
「そうそう。寝正月でも別に良いじゃんねー」
「私は親戚に嫌な奴がいるから、親戚ん家に行きたくない」
「わざわざ遠くへ行って嫌いな人に会いに行くって意味が分からないよね」
「お年玉の金額とか考えるの面倒臭くて憂鬱」
「だよねっ! 後出しジャンケンみたいな感じで、ずるい親戚がムカつく!」
「うんうん。先にお年玉を渡した人より多めに金額を設定するとか……汚いよね」
「そんで子どもらが……この人は高かったけど、あの人は安かったとか考えちゃってさ」
「気持ちが大事なんて、やっぱりきれいごとだってなるよねぇ。何よりも金額が大事なんだよ、やっぱり……。お金のことって難しいよね」
「お金といえば、お賽銭も嫌だ!」
「あれ、金額とか考えなきゃならないの面倒臭いよね。いちいち五円玉とか五十円玉とか集めるのも面倒臭い!」
「服装とかも拘らなきゃならないらしいからバカみたい! 就活みたいにスーツで行けって何かの記事に書いてあったの見たときはバカバカしくなったわ!」
「参拝のやり方も覚えるの億劫! そんなことしている暇ねーし! 年末年始、色々やることあっから! それ勉強する時間もないくらい厄介なことが山積み!」
「おみくじも引き方にルールがあったとか。はーあ面倒臭い。大吉出たら良いってわけでもないっつーのもムカつく。じゃあ何が良いんだよ、正解なんだよってね」
「おみくじのメッセージ、読んでいて『は?』と思うときがあるんですけど! やたらと神様って人間に厳しくない? 不確かなもののくせにさ! 見えないもののくせにさ! そんなの信じて、本当に良い年になるのかよ!」
「そういや新年早々、怒ったり悪口とかネガティブなことを言ったりケンカしたりすると幸せが逃げていくらしいね。神様が見ているんだって。何だか面倒臭いなぁ、そういうのを気を付けるのが」
「ねー! じゃあ正月に悪いことした奴がいたら注意しなくて良いの? って言いたくなる!」
「そのスピリチュアルを縦にして人を怒らせることを積極的にやる奴がいたら嫌だねぇ。自分が悪いくせに『元旦から怒るなって。不幸になるぞ~?』なんて言ってくる奴がいたら腹立つよ」
「マジで正月って、窮屈でイライラするんだよな! しきたりみたいなの、ありすぎて! あれやっちゃダメこれやっちゃダメって! 正月休みとか無意味じゃん! 全く休みじゃねーよ! 下手すりゃ地獄になりかねないよ!」
「休みでテレビとか見ても特番ばっかで見る気ないとか、ありません? いつもの見て、ゆっくりしたいのに……」
「あるある! 大して楽しくないのに毎年やっているのとか少なくないよねっ!」
「あのー……私、餅嫌いなんですけど……同じ方いません? あと、おせち料理も食べないんですけど……」
「うん、嫌い! 喉詰まる! 太る! 食べたくない! おせちなんて作るの大変そうだし興味ゼロ! 食べるもん、ない!」
「正月だからって特別なものは食べないなー。通常運転な食事でOKだよ」
「餅を喉に詰まらせて、お亡くなりになる人も少なくないしな。あのニュースを見たり聞いたりする度に『何が、あけましておめでとうだよ』と思う。元旦から悪いこと起こったじゃんって……。新年の祝いなんて、やってらんねーって」
「正月って、本当に祝うもんなのかって言いたくなることばっかだなぁ。面倒臭いことばっかじゃん。喪中の人に間違って『あけましておめでとう』とか言っちゃうミスも嫌」
「あー、それね。分からなくて年賀状を出すパターンも、あるよ」
「気まずくなることもあって難しいですよね。あの人は送ってくれたけど、ぼくは出していない。ぼくは出したけど、あの人から送られてきていない……っていうの」
「地味に人間関係にヒビが入るやつ! これでまた新年早々……って、わざわざ考えるのしんどいね~」
「その新年早々に、いちいち苦しめられたくないよ……。まあ、これだけ正月アンチがいたってことにはホッとしましたが」
「まだいるよ、きっと……ねえ?」
正月アンチが集まった 橙こあら @unm46
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