第2話 新郎友人A

彼女主導の下、結婚に向けて粛々と段取りをこなしていった。


プロポーズも、両家の挨拶も無事終わった。

「後は、結婚式だけね」

「ああ、あっという間だね。なんだか実感が湧かないよ」

二人で招待客を誰にするか決めていた時、

1人の友人が頭に浮かんだ。晋也だ。

晋也は大学時代の友人で、特に仲が良かった訳じゃないが

毎年必ず年賀状をよこしてくれていた。


丁度、新郎友人側の席が1枠空いていたのもあって

晋也を招待することにした。


学生時代の晋也は、大人しくてあまり目立たない奴だった。

記憶にあるのは、よく提出するレポートを代わりに書いてもらった事だ。

…半ば、強引ではあったが。

それでも嫌な顔一つしなかった。


~~~~~


いよいよ、結婚式当日。

ウエディングドレスに着替えた千絵は

絶世の美女とまでは言わないが、綺麗だ。

結婚はまだ早いとも思っていたけれど

悪くもないな…と独り言ちたその時、


「昭一くん、久しぶりだね」

僕の後ろから男の声がした。


振り返ると見覚えのない長身の男性だ。

怪訝そうな顔した僕をみて声をかけてきた。


「僕だよ。晋也だよ。今日は招待してくれてありがとう。

そして結婚、本当におめでとう」

…あれ?晋也ってこんな顔していたっけ?

もうずっと会っていないし、そんなに親しかった訳じゃないからな。

わからなくて当然か。…ま、いっか。


「しょうくん、そちらの方は誰?」

千絵が声をかけてきた。

「あ?あぁ、大学の頃の友人の晋也っていうんだ」

「千絵さんっていうんだ。とても綺麗な素敵な人だね。

昭一くんが羨ましいよ。」

千絵も褒められてまんざらでもない様子で口角を上げた。

その後、俺は他の友人に声をかけられその場を離れたが

千絵と晋也は二人で何か楽しそうに話してるのが見えた。


…おいおい、結婚式の時に新郎をさておいて何やってんだよ…

視線に気が付いたのか、晋也が軽く微笑んで、自分の方へ歩いてきた。


「わるい、悪い。千絵ちゃんとつい話し込んでしまって」

不機嫌なのが伝わったのか、晋也の方から謝ってきた。


…もうすぐ式がはじまる。

俺は嫌な気分を押し込めた。














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