いじめと家庭不和に絶望した少年・一星が、自殺場所に選んだダンジョンで死のループに囚われる物語だ。最弱の怪物に惨殺される激痛を何度も味わいながら、精神を摩耗させるのではなく「勝つまで死ねばいい」という狂気に目覚める心理描写が秀逸である。無力なデブと蔑まれた少年が、終わらない地獄の中で自己を破壊し、規格外の力を掴み取ろうとする泥臭い這い上がりが大きな魅力だ。
「最底辺からの逆転」や「復讐」といったカタルシスを求める読者。主人公が極限状態で精神的に変貌していくダークな心理描写を好む層におすすめできる。