寝る前に少し本を読むー豆感想ー
福倉 真世
第1冊 下町サイキック(吉本ばなな)
この本の主人公はタイトルのとおり下町に住んでいるサイキックの女の子です。
ただ、サイキックといっても超人のようなことは出来なくて……場を少し浄化して心地よい場所にする、とか、ある意味では人並み外れて良い勘の良い人間のように、調べなければわからないはずのことが何となく少しだけわかってしまったり、というぐらいのささやかな力の持ち主で、その「主人公は普通の人じゃないけれど、そんなに大それたことは出来ない」というのが、この本の醍醐味なのだと私は思います。
すごい人がすごいことをしていく、どきどきはらはらする、ダイナミックな物語も、もちろん素敵だけれど、
制限や限界がある中で、自分がここまではやろうと線引きして(やれる限界まではやらない)そこまでは心を尽くすという主人公とその周りの人たちの無理のない在り方に……ああ、そうだよな、そこまでは深入りしないで、頑張らなくていいんだよな、と、学びを与えられる感覚がありました。
自覚していないだけで、それだけ私は無理をしがちだし限界まで挑みがちなのかもしれません。
主人公だけではなく、主人公をたすけてくれるおじさんや、お母さん、
住んでいる町のひとたち、幼馴染なども皆、背伸びせずに生きているところが素敵です。
そして、ただぽわんと主人公のありかたに癒されるだけの小説ではなく……
人生の残酷さもきちんと描かれています。
親の離婚とか、どろどろした恋愛とか、肉親の死とか、どうあがいても避けられない事件とか、それに巻き込まれる悲惨さとか。
そうして、そんな残酷なことが起こっても、
時に愛しい人と別れながら、時に思いがけない出会いに恵まれながら
人は生きていくのだと、教えてくれる本でした。
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