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全てにおいて自分を理解してくれる人なんか居ないと思っている。けれどもそう人じゃないと絶対に結婚したいとは思えない。だったら最後の死ぬその時まで一人で良い。妹が先か、私が先か、血が途絶えるまで一人で良い。


元旦に友人から連絡が来た。年賀状は送ってないと聞いていたので、チャットでの明けましておめでとうをする事は知っている。其れに対して此方も端的に返事を返し、此方も出掛ける。

「兄さん」

「少し出掛けて来るよ」

妹の声掛けを背に、私は外へと繰り出した。

元旦と聞いてやるべき事は二つに分けられるだろう。初詣に行くか、家で過ごすか。生憎、私はその何方でもなく、ただ近くの公園をふらりと散歩する。そしたらきっと、あの子達の元へ。

かつり、かつりと硬い靴音が周りの木々にこだまする。朝早い事もあって、人の数は少なかった。たまにすれ違う子供達がバタバタと掛けて抜けて行くぐらいである。

――何がしたいの?

――別に何も。

――一人じゃ寂しくないの?

――私の心をすり減らす万人と一緒に居るよりも、一人でいた方が余程良い。

口やかましく訴え掛けてくる、浅い問い掛けを払い除け、近くのベンチに腰掛けた。風の音が、木の葉の擦れ合う音が耳に木霊する。誰と居ても満たされることの無いこの時間。ただ優しく満たされる一時。これが失われるならば、私は一人で良い。

また立ち上がり、好きな純喫茶に訪れようとしたけれども、今日は元旦だと言うことを思い出し、ふと空を見上げた。

――ゆらりぃ。今日暇? 鏡花も暇だから、うちの家おいでよ。瑠衣たんもお茶ぐらい出すよ。

その問い掛けに私は答えなかった。ただ『気が向いたらね』とだけ返答しただけだった。

誰にも縛られず。誰にも何も言われず。誰にも比較されずに生きて行けたら、どれだけ楽なのだろう。皆が皆自分こそが正義で、普通で、其れを押し付けなければどれだけ平和になれるだろう。私はその世界から降りた。後は勝手にやってくれ。

私はスマホを取り出すと、そのまま友人に連絡を入れた。

――今から行くよ。迷惑ならそのまま帰るから心配しないで。

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