優しいプレゼント

黒野雪

優しいプレゼント

「久しぶりだね」


ドキッとした


「忙しそうだから音声を送ってみた」


数ヶ月ぶりに聞いた声

ちょっと不思議な気分

あの頃に一瞬で戻った感覚


「やっぱり、直接話すのは難しいんだね」


少し緊張しているのが伝わってくる


「まぁ…」

「だからこうして音声撮ってみたんだけど」


照れ笑いして話す感じは変わらない


「話したいことがあって」

「仕事でさぁ...」


言葉を

単語を

聞き逃さないよう

意識を声に集中させる


「凄い頑張ったんだよ」


(そんなことがあったの!)

(みんなも喜んでくれたでしょう)

そう呟き

届かない言葉に

心が揺れる


「ただ、こんな話がしたかっただけなんだ」


不意に泣きそうになる

グッとこらえる


「あなたは理想の人だから」

「また話がしたくて」


時間が目に入る

カウンドダウンされていく


「とりあえずそんな感じで…」

「じゃまたね」


…3、2、1

ゼロの世界

声が消え

1人の静かな部屋に戻った


ドキドキも

思い出も

余韻だけ残して


さっきまであった

心の温もりが

少しずつ

冷たくなっていく


そうだ

Re:スタート

「久しぶりだね」

あなたの声が頭の中に響く


優しくて暖かい声

心を包んでくれる


懐かしい世界を何度も巡り

今日はこのまま眠りにつこう

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優しいプレゼント 黒野雪 @KuronoYuki2575

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