第二話 失意のどん底で

 やりましたッ!ぶちかましましたッッ!!人間の尊厳に泥、否、糞を塗ったッッッ!!!先ほどまでの余裕はどこへやら、ズボンから茶色の液体がにじみ出るように、顔から絶望がにじみ出ています!

 事の重大さに気が付いたのか、急いで跳ね起きました!布団がめくられて露わになる!先日奇麗に洗ったばかりの真っ白いシーツに、たった一瞬、力んだほんの一瞬の間に、扇形の模様が描かれました!

 やはり現実を受け入れられないのでしょう!震える手で、おそるおそるお尻に手を伸ばし、今、現実と向き合いましたーッ!

 布によってろ過された純粋な液体が、ペチョッっと音を立てて手に付着!しっとりとして嫌に生温い触感が、そのまま一直線に脳みそへ伝達されます!

 あー!なぜだ、なぜなのだーッ!なぜ当人は現実を認められないのでしょうかーッッ!!触感だけで十分伝わったはずなのにもかかわらず、あろうことかその手を眼前にまで持ってきました!何が当人をここまで駆り立てるのでしょうかッッ?!

 目の前に広がった光景は、紛うことなき、茶色一色で染め上げられた、己の手のひらだ!尻からの出汁が前腕を伝って床に滴るように、瞳からあふれた涙が頬を伝って床に滴り落ちて、茶色をより濃くしています!

 涙を零したわけは、いい歳して漏らしてしまった自分を恥じているのでしょう!もしくは大惨事を招いた己の決断に悔いているのでしょう!

 しかし、泣くだけではツイていない事態は好転しない!付いていないほうの手で涙を拭い、いま、己の尻を拭う、二重の意味で尻拭いの決意を固めました!

 まずは手を洗わず??!!そのまま無理矢理シーツをはぎ取って、茶色い手形が刻印されたーーッッ!!初めて記念日と言うことでしょうか?!それともヤケクソなのでしょうか?!絶対ヤケクソに違いありません!その顔を見ればわかります!絶望と悲哀、そして憤怒と殺意という、本来ならば相容れないはずの感情!水と油のような疎水関係が、この特殊な状況下では、水と糞のような親水関係を構築しているのです!うん!

 風呂場に駆け込み、とりあえず全裸になりました!そういえばズボンとパンツも悲惨なことになっていましたね。非日常の中でも、冷静さを欠かないその姿は、歴戦の猛者に通ずるところがあります!その冷静さがあるのならば、どうしてヘとミの判別を誤ったのでしょうか!

 蛇口をひねり、水を出して石けんを擦りつけ、親の仇のごとく踏み潰しています!対処が早かったのが功を奏したか、みるみるうちに汚れが水に溶けて流れていきます!ちょっっっとほのか~~にあったかな~~~程度にまで手洗いし、洗濯機に投げ入れました!そして洗濯機を回し、今、後始末終了です!

 お疲れ様でしたッ!

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