第11話 赤い木の実

「お兄ちゃん。リルの後をつけてきたの?」

「違うさ。俺はこの家族の秘密を暴いてやろうと調べにきたんだ。リル。お前こそ、川で水浴びしてくると言っていたじゃないか。あれは嘘か?」


 リルは、ロイから視線を外した。


「み、水浴びにはちゃんと行ってきたのよ?太陽と風で髪と体を乾かしたら、ふと町の方にも行ってみたくなったの。そうしたら、ここにお兄ちゃんの姿を見つけて今びっくりしたところよ」

「ふ。お前は最近、うそばかりつくようになって、したたかになってきたな」

「ど、どういう意味?」

「そのまんまの意味だ。お前は、大噓つきだ。天国でお父さんとお母さんが泣いているぞ。この罰当たりが!」

「何?ひどい。リル、そんな悪い人間じゃないもん」

「いいや。お前はしたたかだ。その証拠にお兄ちゃんをいとも簡単に裏切る」

「違うもん。違うもん」


 リルは、両手を握りしめたまま、ロイの胸のあたりをぽかぽかと殴った。

 するとロイは、リルの左頬に平手打ちをしてきた。

 リルは逆上して、ロイの股間を蹴った。

 するとロイは絶叫した。

 ロイの茶色のズボンのポケットの中から、リルの好きな赤い木の実が転がり落ちてきた。


「誰?そこにいるのは」

 その時だった。家の中から女の人の通る声がした。

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