小説のタネ置き場【現代ドラマ】

@-ndA0lightsy

おてんき、くもり。

 体が震えるほど寒い冬の昼時。

 暖房の効いた寝室、心地よい肌触りのシーツ、頭部を優しく包みこむ枕。

 落ち着く香りが染み込んだこの空間に、彼女は一人、仰向けに寝転がっていた。

 視界の左側へ映り込む小窓から、何年も見慣れた外の景色を、うとうとと眺める。

 今にも雨が降り出しそうな曇り空の中、一羽の小さな黒い鳥が、力強く飛んでいく。

 風にあおられた葉は、まるで意思を持つかのように揺れて、静かに音を鳴らす。

 刺激は無い。しかし、そんな時間を過ごすことに、抵抗も無い。


 目を覚ます。


 売れない作家は、重い体を起こし、机へ向かう。

 パソコンを開き、アプリを立ち上げる。


 内容は薄く、オチも無い。

 読まれる事さえないかもしれない。

 だけどそれでも描き続ける。


 【題名:おてんき、くもり。】

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