12.誰かに引っ張られる
夢の研究をしていた頃、最も多かったのがこの引っ張られる、だ。
金縛りになると、誰かがわたしの身体を引っ張るのだ。それは足だったり、胴だったりするけれど、とにかく引っ張られる。
抜ける、と思う。
身体から抜けてしまう。
抵抗するものの、そんな抵抗なんて虚しいくらいの強さで引っ張られて、あっけなく身体を抜けてしまう。
あとは、引っ張られるまま、猛スピードであちらこちらを飛び回ることになる。自由なんてものはないし、情緒もない。
ある時は、満点の星空を見上げながら猛スピードで引っ張られる。
ある時は、地元を猛スピードで眺めながら引っ張られる。
ある時は、海の中に猛スピードでどぼんしたまま引っ張られる。
ある時は、宇宙みたいな空間を猛スピードで引っ張られる。
とにかく猛スピードなんである。
実家の近くを通る時は、「うおぉせっかくの実家入らせろぉ通りすぎるなうぉぉクソがあぁぁぁ!!!」と罵詈雑言を心の中で吐きまくるがまあ止まらない。通り過ぎるだけである。なんの役にも立たんなほんと。
海の中の時は水の中の景色が綺麗で好き。ただし猛スピードだけど。
息は出来る。夢なので。
で、どの時もそうなのだが、引っ張られているということは、引っ張っている奴がいるわけである。
この引っ張っている奴の存在は感じる。わたしの身体をにぎっているのもわかる。ただ、目には見えないし意思疎通も基本的にはない。
基本的にはと書いたのは、数回だけ意思疎通をした事があるからだ。
次はその時の話をしよう。
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