2.金縛り体質?

 わたしは金縛り体質である。

 小学六年生の頃、初めて金縛りになった。そこから、金縛りにならない日はないという毎日だ。


 金縛りというのは、科学的に表すなら睡眠麻痺と言う。

 眠り始めなどに、意識はあるのに身体が動かせない状態だ。この時に、恐ろしい幽霊が見えたり、声が聞こえたり、なにかに触られたりすることもある。


 とはいえ、これは別に霊的なものではない(とわたしは考えている)。


 わたしは金縛りになるようになってから、毎晩この霊的な幻覚幻聴幻触に悩まされていた。なにせ、めちゃくちゃリアルなんである。

 金縛りになって、声が聞こえたり、胸に女の子が乗っていたり、黄金に輝く手に手招きされたり、布団脇に仮面を付けた男が正座していたり、音楽が聞こえたり……もうありとあらゆる体験をした。


 身体を引っ張られたり、足をつかまれたりもする。

 それから、とにかく息が出来ない。本当に苦しい。

 今悩まされているのは、金縛り中に刃物で切られることだ。切られるのは足とか腕のことも多いけど、最も多いのは首である。非常に痛い。不快。めちゃくちゃ痛い。


 そんなわけで、金縛りになると、金縛りを解くためにもがき、目覚め、また眠ろうとすると金縛りになる。

 そんな感じだったので、常に寝不足だった。それに、割とずっと金縛りは霊的なものだと信じていたので、二十年以上それを我慢していたのは本当に偉かったと思う。


 さて、大人になって色々自分でネットの海を泳げるようになって、やっとわたしは入眠時幻覚という言葉を知るのである。

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