第2話 番組制作会議

 我々番組スタッフはさっそく花岡はなおかひろし隊長に連絡をつけた。なにかと多忙な彼のスケジュールを調整し、話し合いの機会を持った。


 その日、社の会議室に集まったのは我々スタッフと花岡隊長、そして民族学の世界的権威である遠藤達哉えんどうたつや教授である。幸運にも日頃フィールドワークで世界中を飛び回っている彼とアポイントを取ることができた。


「これはおそらく、あの地域でも特に未開な人々が暮らすというジャングル奥地の映像だろうね」遠藤教授は映像を確認したあとそう言った。「私もあの近くを調査した時に噂を聞いたことがある。邪神を崇拝する部族があると」


「邪神、ですか?」花岡隊長が目を光らせる。


「ああ、たしか現地の人が言っていた。奥地は、えーと、なんだったかな⋯⋯そう、邪神ペロペペロぺぺペロリンだ!その神が支配している場所だそうで、誰も近寄らないとのことだった」


「あの柱に縛られていた人物は生贄でしょうか?」花岡隊長が尋ねる。


「そうだろうね。あと、その部族は人を食うと恐れられていた。邪神に捧げたあとは皆で分けて食べたかもしれない」


 室内を沈黙が支配する。これは番組の格好の題材であると考えて花岡隊長に来てもらったが、人食い部族が相手ではあまりにも危険が大きすぎる。これはお蔵入りだろうと我々が思っていたその時、花岡隊長が口を開いた。


「いいね、次の探検はここに行こう」


 室内の全員が花岡隊長を見つめた。そのまさかの発言に我々スタッフも異を唱えた。しかし花岡隊長の決意は揺るがない。


「もしみなさんで行かれるんでしたら、私もご一緒してもいいかな?」遠藤教授は花岡隊長を援護するようにそう言った。「実は前々からその部族を調査したいと思っていたんだ。番組ということで予算を負担してもらえるなら、こちらとしては願ってもない機会だ」


「遠藤教授、お願いできますか!」花岡隊長は手を差し出す。それを力強く握る遠藤教授。


 我々番組スタッフとしても、もはや止めることはできない。それどころかふたりの熱に当てられたように、気分も高揚してきた。以後具体的な番組制作として、計画は進行していった。


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