黄色い戦争のあと〜エルフと笛とクレイが在った〜

中田 完二

第1話 リンドとの出会い

 黄色い旗印のもと、自由と平等をうたう戦いが終わってから四半世紀が過ぎた。

 大戦の終結と共に「魔法」は軍用から民生用へと変わり、様々な用途のクレイが人々の暮らしに豊かさをもたらしていた。。

 ただ、大魔法使いダズヴェルの元には、今も当時の熱量を帯びた「禁忌」が眠っているという。

「二十五年か、あっと言う間だったような、長かったような」

 ミゲルは黄金こがね色の穂が波打つ麦畑を眺めながら呟いた。


 シゲルは街へ出て、キューブやスフィア、シリンダーとトーラス等の交換に廻っていた。熱源の供給がとどこおってから久しい。だから、シゲル達の据置型のクレイに需要が有るのだが。

「いつもすまないねぇ、ホント大助かりだよ」

 ミセス・シーカは大戦終結直後から、未亡人達と共同で古着と仕立て直し、クリーニングの店を営んでいて、今は新品も売っている。

「アイロンのキューブは交換しておきました、ミシンはトーラスが結構弱ってたんでトーラスだけ替えときました、他に気になるところは有りますか?」

 シゲルはシーカ婦人の作業場のメンテナンスをひと通り終えると立ち上がって、腰を伸ばした。

「今はそんなとこかねぇ、それよりあなた、その服洗っといてあげるから脱ぎなさい」

 シーカさんは肥った体をゆすりながら言った。

「着替えが無いですし」

シゲルが遠慮がちに言うと、

「いいのがあるのよ、あなたきっと似合うわ」

 と言いながら奥のテーブルに置いてあった服を持ってきた。

「サイズはピッタリだと思うわよ、あなた大きいから」

 婦人は両手で上着の肩を持って、視線でシゲルに背中を向けるように促した。シゲルが後ろを向くと、

「思った通り、ピッタリだわ」

 上着をシゲルの背中に当ててご満悦の様子だった。

「さ、着替えてらっしゃい」

 手早く上着をたたむと、ズボンと一緒にシゲルに手渡した。

「奥に試着室があるの、知ってるわよね」

「え、えぇ」

 いつものことなのだ。この女性ひとは他人の世話を焼くために生まれて来たような女性ひとだった。

「似合うわ、私のみたて通りね、この格好なら女の子にモテモテよ」

 着替えを済ませて試着室に立っていたシゲルに踊るような仕草で言った。

「ズボンの裾合わせましょう、アラ、全然切らなくていいわね」

 足元にかがんで、ズボンの裾にまち針を打っている。

「すぐに裾上げするから待ってて」

 試着室のカーテンの隙間からズボンを受け取って、シーカさんはいそいそとミシンへ向かった。

「出来たわよ、バッチリ」

 あっという間に裾上げは出来上がった。

「それから、なんていったっけ?お友達の」

「モーリー、ですか?」

「そうそう、そのモーリーにもいいのがあるのよ、持って帰って」

「いつもすみません」

「いいのよ、あなた達が着てくれると店の宣伝にもなるの」

 どこかに店のロゴがはいっているわけでもなく、いつもこう言っては代金をとらない。

「せいぜい宣伝しときます」

「ありがとう、はいこれね」

「ありがとうございます、渡しておきます」

 シゲルは上着とズボンを受け取った。


 仕事を終え、シゲルはポヨンポに乗って自分たちの工房に向かっていた。父のミゲルがやっている農園の一角を借りて、キューブやスフィアを造っている。

 ポヨンポはその構造からクッション性は柔らかだけど揺れ幅は大きく、舟に乗っているような感じだ。実際、船酔いのようになる人もいる。


「ただいま」

 シゲルが工房の扉を開けるとモーリーがスフィアのディスプレイに向かって話しかけてる。

「えぇ、そうです、お宅のクレイ製品の品質は最高で」クルリとスフィアを回す。

「品質より、量産性ですよ、どれだけの数を市場に出せるか」またクルリ、スフィアの中には三次元の映像が映し出されている。

「おかえり」モーリーはディスプレイを見つめている。

「原料の精製に水を使うのは合理的だよ、魔法力には限界が」クルリ。

「そっちの原料は不純物が多いから、その手の魔法の使い手を派遣するよ」モーリーは一度に10人の話を聞き分けられる特技を持っている。

「忙しそうだな」シゲルは軽いめまいを感じていた。

「はい、皆さん!本日はこれくらいで、当社のCEOが戻って来ましたので」モーリーはちょっとおどけて見せた。

「CEOは君だろ?」シゲルはいつものリアクションで受け流す。

「首尾はどうだ?」

「いつも通り」

「飯は?」

「まだだ」

「そうか」

「坊っちゃん!帰ってらしたんで?」

「坊っちゃんはやめてください、ジーナさん」

「ゴメンナサイ、坊っちゃん」シゲルのめまいは戻らない。

「飯にするか、、、」モーリーが立ち上がった。

「今日はシチューですよ、モーリーさん」ジーナが笑顔で言う。

「大好物ですよ、ジーナさん」

「そうでしょう、ねぇ、坊っちゃんも、、」

「えぇ、ジーナさんの作るシチューは最高ですよ」シゲルのめまいはまだ治まらない。

「さぁさ、こちらへ」ジーナはエプロンで、手を拭うような仕草をしながら、先に立って歩いていく。

「ところで、僕の服は?」

「アッ、しまったポヨンポの中だ」

「だと思った」

「なんで服があると思った?」

「朝、着てたのと違う、だったらシーカさんに新しいのをもらった、当然僕のぶんも、あのひとはそういう人だから」

「100点だよ」

「ありがとう」

 いつも通りの食事。いつも通りの仕事。いつもと同じ日常が過ぎていく。

「アレは、確か、モモウクだったか?『何も無い事が一番幸せなんだ』と」

「多分、リングウだよ」

「そうか、そうだったな」モーリーの詞に静かに頷いた。


 明くる日、仕事を終えた帰り道、商店街の近くで信号待ちをしている時、シゲルに少年が話しかけてきた。

「おニィさん、ボク、おなかが空いてるんだけど、何か食べるもの無い?」

「お父さん、お母さんは?」

「いない」

「そうか、30分くらい辛抱出来る?」

「ウン、出来る」

「乗って」

シゲルはポヨンポのドアを開けた。

 ポヨンポはユラユラと揺れながら、二人を農園へと運んで行く。

「パンは好き?」

「ウン」

「パンなら一杯あるよ、それとシチュー」

「ココアは?」

「ある」

「ミルクは?」

「たっぷり」

「お砂糖は?」

「甘いの好きかい?」

「大好き」

「好きなだけ入れたらいいよ」

「ウン」

「名前は?」

「リンド」

「エルフ?」

「ウン」

「いくつ?」

「11?かな?」

「フーン」


 そんな会話をしているうちに、ポヨンポは農園についた。

「ここだよ」

「ウン」

シゲルはリンドの前を歩いていく。リンドはキョロキョロと周りを見廻しながらついてくる。

 背中を向けてミゲルが玄関の郵便受けから夕刊を取り出していた。

「父さん」

「おぉ、おかえり、久しぶり」

「歳とったね」

 ミゲルとリンドの様子を見てシゲルは首をかしげた。

「ハラ減ったか?」

「ウン」

 リンドはミゲルと手を取り合って、家の中に入っていく。シゲルもあとからついていった。


「この子、父さんの知りあい?」

「あぁ、古い友達だ」

「古いって?」

 シゲルの首は横へかしげたままになっている。

「あぁ、アレは黄色い戦争が終わって半年ほど経った頃だった、俺はダドリーのパン屋に世話になってた」

 ミゲルはゆっくりと話始めた。


「お疲れさん、あがらせてもらうよ」

 ミゲルは仕事を終え、店に廻って来た。

「おう、お疲れさん」

 ダドリーはパンを2つ袋に詰めるとミゲルに渡した。

「ありがとう、助かるよ」

「明日も頼むよ」

「こちらこそ」

 いつもの会話をして、ミゲルは店を出た。歩いてアパートへ帰る途中、少年に話しかけられた。

「おじさん、ボクおなかが空いてるんだけど、なにか食べるものない?」

 見ると10歳くらいのエルフの少年だった。

「お父さん、お母さんは?」

「いない」ミゲルは一瞬で状況を察した。

「パンをあげよう、これでいいか?」袋をそのまま差し出した。

「友達がいるんだけど」リンドは明るく言った。

「どこに?」

「あっち」

リンドの指差したのは立入禁止地区の方角だった。ミゲルの脳裏に不安がよぎった。

「友達のところへ連れてってくれないか?」

「いいよ」

 リンドについて歩いていくうち、ミゲルの不安はさらにつのった。

「ここ」

 そこはまさに立入禁止地区の壊れかけた建物だった。

「ここはまずい、不発弾があるかもしれないんだ」

「そうなの?」

「君は体重が軽いから、反応しないのかもしれないが、ここにいちゃ危ない、すぐにここを出るんだ」

「ホント?」

「そう、みんなを呼んで」

「ウン、呼んでくる」

「待て!入っちゃダメだ」

 建物に入ろうとするリンドを引き止めるとシゲルは「ちょっとした事で爆発するかもしれない、ここから呼ぶんだ」

「ウン」

 リンドは建物の奥に向かって声をかけた。

「リリュー!ティム!ジーナ!タミー!ケン!出ておいで、パンがあるよ」

「リリュー!ティム!ジーナ!タミー!エェッと?それから?」

 ミゲルも声をかける。

「ケンだよ」

「ケンも、出ておいで」

 建物の奥の方で話し声が聞こえる。

「一度通ったところを通るんだ、一列で、そおっと」

 ミゲルは生唾を飲んだ。

「どうしたの?」

 女の子の声が暗がりから聞こえる。

「リリュー、みんなは?」

「後ろにいるわ」

「さぁ、出ておいで、おじさんは悪い人じゃないから」

 ミゲルは前かがみになって手招きしている。

「ホントに?」

 リリューの顔が建物の影から、半分くらい見えた。

「お嬢ちゃん、名前は?」

「リリュー」

「後ろにいる子達は?」

「この子がティム、ジーナ、それからタミー、アレ?ケン?」

「どうした?」

 ミゲルの不安はさらにつのっていく。

「ケンがいない!ケーン!」

 リリューが建物の中に戻ろうとする。

「あぁっ!危ないっ!」

 ミゲルが思わず声をあげる。

「大丈夫、なれてるから」

 リリューは平気で中に入っていく。多分、釘か何かを踏んだら危ない、くらいに思っているのだろう。ミゲルは息が苦しくなって来た。浮遊魔法が使えたら、そう思ったら使えない自分が情けなかった。

 奥の方で何やら話し声が聞こえた。しばらくして、リリューが小さな男の子を連れて来た。

「君がケンかい、俺はミゲル、悪い人じゃないから」

「ホントに」

 無理はなかった。戦災で両親を亡くした子どもたちなんだ。戦争を起こした大人を信用出来るはずもない。こんなに小さいのにもう人を信じる事が出来なくなっている事がミゲルの心に刺さった。

「ケン!だからいつもウロウロしちゃダメって言ってるでしょ!」

 リリューは、ケンの耳をつまんだ。

「痛いよ!おねぇちゃん!」

「リリュー、怒らないで、ケン、みんな、おじさんのうちに行こう、食べるものならあるよ、飲み物だって」

 みんな黙ってしまった。

 誰なのかわからないが、誰かのお腹がグゥーと鳴った。辺りは笑いにつつまれた。


 ミゲルが先頭で、子供たちがあとにつづいて歌いながら行進していく。

「なんの歌だ?」

「マーチだよ」

「なんて、タイトル?」

「知らない」

「そうか、知らないマーチか!」

「そうだよ!知らないマーチ!」

 行進はダドリーのパン屋の前でとまった。

「ありがたい、まだやってるみたいだ」

 ミゲルは子どもたちに「ここで待ってろよ、おとなしくな」と言ってダドリーの店に入っていく。ところが、子供たちも続いて入って来た。

「ダドリー、売れ残りのパンはあるか?」

「なんだ、その子供たちは?」

「腹を減らしてるんだ、パンは?」

 ダドリーは「いいよ、みんな持ってけ」と両手を広げた。

「金は明日払う」

「いいよ、売れ残りだから」

「そういうわけには、、、」

ダドリーは「気が変わらないうちに喰っちまいな」と顔をくしゃくしゃにして言った。本人はウィンクしているつもりのようだった。


「パンは他にもある、飲み物はココアでいいか?」

 ミゲルは散らかった部屋で、子どもたちとのおそい食事の準備を始めた。

「ほかに何があるの?」ケンが聴く。

「アッと、、、ココアしかないか、、、」ミゲルは棚の上を見廻した。リリューは黙ってケンの耳をつまんだ。

「みんなおとなしくしてなさい、ここはおじさんのうちになんだから!」リリューの掛け声にアチコチ見て廻っていた子供たちは一斉におとなしくなった。

「手伝うわ」

 ミゲルのとなりにリリューが並んだ。

「あ、じゃぁ、砂糖をとってくれ」ミゲルは冷蔵庫を覗きながら言う。

「ここにあるみたい、カップを洗うわね、お湯は?」リリューが手際よく進めて行く。

「お手のものさ」ミゲルがヤカンに手をかぶせると、すぐに湯気が立ちのぼった。

「おじさん!魔法使いなの?」「すげぇ!もうお湯になった」男の子達は目を見張った。

「魔法は嫌いかい?リリュー」ミゲルがささやく。

「ううん」リリューは首を横に振った。

「すまない、俺たち大人が始めた戦争に巻き込んでしまった」

「ミゲルのせいじゃないわ」

「そんなふうに思ってくれるのか?」

「だって、ミゲルはそんな偉い人じゃないでしょ?」

「あぁ、そうだな」ミゲルは思わず苦笑い。

「みんな、すまない、ミルクを切らしちまってた、代わりに砂糖をたっぷりいれて、うんと甘くすればいい」

 子供たちはキョトンとしている。

「甘いものなんて、随分口にしてないの、甘いココアの味なんて覚えてないのよ」

「そうか、すまない」

「ミゲルのせいじゃない」


「行儀よくしなさいっ!ケンっ!座って!ティム!口の周りっ!」

 女の子たちとリンドはおとなしい。

「みんな、腹が膨れたら、風呂へ行こう、まだ間に合いそうだ」

「お風呂?」

 ジーナが身を乗り出した。

「お風呂って?」

 男の子達はよくわかっていないようだった。

「お湯に浸かって、体を洗って、さっぱりしよう!」

 ミゲルが言うと、女の子達はにこやかにうなづいた。男の子達は渋い顔をしている。

「おじさん、お風呂って、、、」ケンがなにか言おうとした「ケンっ!」リリューがケンの方を向くとケンは両耳を抑えた。


 「知らないマーチ」で行進しながら、マーシュの風呂屋へ向かった。

「大人一人子供六人」ミゲルは入り口で声をかける。番台からマーシュがミゲルの肩越しに子供たちを見て「今日はもう看板なんだ」「そこをなんとか」マーシュは番台を降り暖簾のれんを片付け始めた。

「あの子達、何日も風呂に入ってないんだ」

「はいりたきゃ入っていきな」

「ありがとう、じゃぁ、大人一人子供六人」

「営業時間外に銭がとれるか、トットとへぇれ!」

「恩に着るよ」

「ミゲル」

「なんだ?」

「その女の子はもう大人だぞ」

 マーシュの言葉にミゲルは改めてリリューを見た。

「うっかりしてた、気をつけるよ」


「もう大人か」

 ミゲルは一人で湯舟に浸かっていた。隣からは、子供たちのはしゃぐ声とリリューが静かにしかる声が交互に聞こえる。

 ひとしきり盛り上がったあと、静かになったと思ったら、ティムとケンが入って来た。

「なんだ?」

「おじさん、もう出よう」

「おっ!そうするか」

 ミゲルは湯舟から立ち上がった。


 知らないマーチが夜空に吸い込まれていく。


「せっかく風呂に入っても、同じ服を着たんじゃ、なんにもなんねぇな」

 ミゲルがポツリとこぼした。

「お風呂に入れただけで、幸せよ」

 リリューがうつむいて言った。

 アパートに着くと、ありったけの毛布やフトンを出して雑魚寝となった。

 女の子はおとなしく寝床に入ったが、男の子はソファーで跳んだり跳ねたりしていた。

「ティム!ケン!静かにしなさい!」とリリュー。

「そうだ!明日仕事が終わったらシーカさんの店に行って服を買おう」

 ミゲルが思いついた。

「どういう事?」

 リリューが聞き返す。

「シーカさんて、古着の店をやってるオバサンがいるんだけど、そこへいきゃあ今よりずっといいのが見つかるよ、きっと」

「服を買ってくれるの?」リリューは瞳を輝かせている。「私のも?」「私は?」ティムとタミーもはしゃいでいる。

「あぁ、好きなのを選べばいいぜ」

「でも」リリューが上目遣いにミゲルを見る「お金は?」

「子供はそんな事心配しなくていい、さぁ、もう寝ろ」

 ミゲルはソファーで跳んだり跳ねたりしていたティムとケンを抱き寄せた。


『私、もう大人なんだけど、、』


 翌朝早めに起きたミゲルが台所に立っていた。

「おはよう」リリューが入ってくる。

「まだ寝てればいい」

「何をしてるの?」

「朝飯と昼の分のパンケーキを焼こうと思ってな」

「パンケーキなら焼いたことあるから」

 ミゲルは感心したような顔をして

「そいつはいい、手伝ってくれるかい?」

「お安い御用よ」

「キューブは使った事あるか?」

「わからない」

「コイツには熱の魔法を封じ込めてある、上にこうやって鍋を置くと熱が金属を伝わって、煮炊きが出来る」

「へぇー!便利ね」

「元は軍用だったが、最近は民間でも使えるようになった」

「軍用?」

「平和利用ってやつさ」

「それがいいわね」リリューは優しく微笑んだ。

「じゃぁ、こいつに水をいれて混ぜてくれ」ミゲルが小麦粉をボールにあける。

「分量は?」

「適当」

 リリューは目を見開いて斜めにミゲルを見た。


「じゃぁ、行ってくるから、みんなおとなしくしてるんだぞ、とくにティムとケン!」

 ミゲルはそう言うと手を軽く振って、仕事場へ向かった。

「行ってらっしゃーいっ!」子供たちは大きな声で見送ってくれた。


「ダドリー、悪いが少し前借りさせてくれないか?」

「ああ、いいよ」

「マジか?理由は聞かないのか?」

「はいよ、それからこっちは俺からだ、子供たちに肉か魚を喰わせてやりな」

「アンタが神様に見えるよ」

「よしてくれ、まだこの世に居たいからな、それから、なにかあったら役場に相談するんだ、いいな」

「あぁ、わかった、そうするよ」

「必ずだぞ」

 ダドリーはミゲルの目の前に人差し指を突きつけて念を押した。

ミゲルは黙ってうなづいた。


「まぁー、カワイイおチビちゃんたちっ!」

 ミセス・シーカは大げさなくらいに喜んだ。

貴女あなたは、もうレイデイね」

 リリューの肩にそっと手を置いた。

「アナタは?エルフ?そうね?そうでしょ?」

 リンドの耳を見ればわかるのだが。

「今日はなんの御用かしら?」

「この子たちに、なにか着るものをみつくろってもらえないかな?」

 ミゲルは店の中を見廻している。

「えぇ、お安い御用よ、小さい子達からにしましょう、アナタ、名前は?」

 一番小さいタミーに近寄った。

「タミー」

「いくつ?」

「えっと?」

「タミーは7歳なの、ね!」ジーナが割って入る。

「ウン」

「そう、アナタは?」ジーナに聴いた。

「9歳」

「あら、素敵、おねぇちゃんね、えーっと?アン、この子たちにとびっきりのおしゃれをしてあげて」

 ミゲルはなにか言おうとしたが、ジーナとタミーの瞳を見てやめにした。

「男の子はぁ、活動的なのがいいわね、いいのがあるのよ、そうそう、ローラ、この子たちみてあげて」

 ティムとケンは、しょうがないかな?みたいな顔をしている。

「エルフのアナタは、冒険者みたいな感じがいいわね」

「ウン」

「その首飾りはなぁに?」

「笛、お父さんとお母さんがくれた」

「素敵ね、大事になさい、ケイティがみてくれるわ」

 自分の番だと思ったのだろう、ケイティはそばまで来ていた。

「いよいよ、レイデイね」

 リリューははにかんだ。

「どんなふうがいい?アナタならなんでも似合うわよ」

「動きやすいのがいいです」

「マッ!素敵!しっかりものね、アナタ」

 リリューの頬が少し赤くなった。

「じゃ、私が見てあげるわね、行きましょう」

 二人は並んで店の奥、と言ってもそれほど広い店舗ではないが、へ進んだ。

「アナタはそこへかけて新聞でも読んでて」

 ミセス・シーカは振り返ってミゲルを見た。

「あぁ、よろしくお願いします」


「さぁさ、パパに見てもらいましょう」

 アンがジーナとタミーを連れて来た。

「あ、その、そうじゃないんで、、、」

「アラ、ゴメンナサイ、はずみで出ちゃっただけだから」

「見て、ミゲル、カワイイ?」

「あぁ、かわいいよ、お姫様みたいだ」

 もも色のフリルのついたワンピースを着てタミーはうれしそうに笑った。

「ねぇ、私は?」

「見違えたよ、ジーナ」

「お姫様みたい?」

「もちろんだ!」

 ティムとケンの番だ。

「男の子はね、すぐに汚したりするから、丈夫なのが一番」と、ローラ。

「おっ!いいじゃないか?カウボーイみたいだ、だけどベストが赤?」

「古いわね、今時は赤は男の子の色よ!ヒーローはみんな赤いコスチューム、そうよね」

 ティムとケンはお互いに鉄砲に見立てた指を突き出した。

『この子達に本物の銃を持たせちゃならない』ミゲルは胸が詰まった。

 リンドがケイティに連れられて来た。うすいブルーのパンツに黒いジャケット、シャツは赤。

「こうして見ると赤もいいもんだな」

「でしょう、シャツはこの子が選んだの」

「似合ってるぜ、考古学者みたいだ」

「まぁね」


「ホントにそれでいいの?もっとカワイイのにすればいいのに」

 シーカさんとリリューが来た。

「カワイイじゃないか、すごくいいよ」

 ミゲルはソファーから立ち上がった。

「カワイイ?」リリューは複雑な表情だ。

 細身のパンツにゆったりしたトップス、動きやすそうな組み合わせで、リリューとしては精一杯大人っぽくしたつもりだったのだろう。

 

「ミセス・シーカ、代金は、、、」

「お給料入ってからでいいわ、どうせ前借りしてきたんでしょ?シーカおばさんはなんでもお見通しよ」

 ミセス・シーカは人の心が読めるんじゃないか?そう噂するものもいる。

「それよりアイロンの熱が上がらないの、みてくれる?近頃熱の供給が良くないの、なんでもサラマンダーが弱ってるんだとか?」

「そうみたい、で、どれ?」

「全部」

「ふぅ」


「どれもキューブが弱ってたんで、熱を補充しておいた、しばらくはいけると思う」

「助かるわ!この分代金から引いとくわね」

「恩にきます」

「あーら、いらっしゃい、もう来る頃だと思ってたわ、いいのがあるのよ、あなたのためにとっておいたの」

 入って来たばかりの客に、大げさにアピールする。ただの商売上手か?本当に心が読めるのか?


「今日は美味うまいもの食べよう、肉がいいか?魚か?」

 シーカおばさんの店からの帰り道、ミゲルは子供たちに聴いてみた。

「お肉!」「お肉!お肉!」

 男の子が飛び上がった。

「無理言わないの」

 リリューがなだめる。

「構わないさ、金は有る、女の子は魚がいいか?」

「えー、魚は骨があるから食べにくい」

「じゃあ、肉にしよう」

「ヤッター」「お肉、お肉」子供たちははしゃいでいる。

「リンドはどうだ?なにか食べたいものは?」

「ボクはお肉は食べられない、魚も」

「そうか、じゃ、フルーツはどうだ?」

「ウン」

「よーし、リリューは?」

「私は、少しでいい」

「育ちざかりなんだから、遠慮するな」

 リリューは首を横に振りながら

「それより、ココア」

「ココアならまだあったろう?」

「ミルクの入った」

 ミゲルは大きくうなづいて

「オッケー、ミルクも買って帰ろう、よーし!商店街まで行進だ!」

「知らないマーチだね!」

「行くぞっ!」


 商店街で買い物を済ませて、ミゲルの部屋でささやかでにぎやかな夕食会が行われた。

 子供たちは、特に男の子は騒がしかった。

「近所の人に怒られるから!静かにしなさい!」リリューはティムとケンを追いかけ回す。

「ほっとけよ、余計に騒がしい」

「そうね、そのほうがいいわね」

ミゲルに言われて、リリューは席についた。

「ミゲル」

「なんだ?」

「冷蔵庫がよく冷えないの」

「冷気が弱ってるんだろう、みてみるか」

 ミゲルは立ち上がって、キッチンに向かった。

「スフィアの冷気がほとんどない、補充しておくよ」

 ミゲルは球体に手をかざした。

「できるの?」

「少しだけ」

「火炎と冷気の両方使えるなんて」

「逆をやればいい、たまに失敗するけどな」

「どうなるの?」

「保温箱になるだけ」

「そうよね」

 ミゲルは冷蔵庫の扉を閉めながら

「うまくいったみたいだ、しばらくつだろう」と言った。

「ミゲルは軍隊にいたの?」

「あぁ」

「聞いたことある、火炎と冷気の二刀流がいるって」

「あそこにゃその手の奴ら、ザラにいるさ」

「そうなの?」

「そうだ」

「ミゲル」

「今度はなんだい?」

「お金、大丈夫?」

「そんな事、心配するな」

「私達、ここにいていいの?」

「こんな狭いとこでいいなら」

「邪魔じゃない?」

「子供はそんな心配しなくていい、それより学校だ、リリューも、みんなも」

「私、子供はじゃない!13なら働けるし、結婚も出来るのよ!」

「バカなこと言ってないで早く寝ろ!」

「バカはミゲルよ!おやすみ!」

 リリューはタミーたちのところへ行ってしまった。


 子供たちが寝静まった頃、ミゲルはひとりこれからの事を考えていが、特に妙案が浮かぶわけでもなかった。


「寝ないの?」リンドがそばに来た。

「お前こそ、早く寝ろ」

「ボクはあまり寝なくても大丈夫」

「そうだったな」

「何をもめてたの?」

「たいしたことじゃない」

「ここにいてもいいのかって、言ってたけど?」

「大丈夫、心配するなって」

「ご飯食べられる?僕はあんまり食べなくても平気だけど、他の子は、、、」

「約束する、食うことに困るようにはさせない」

「無理しないで」

「あぁ、そうだな、そうだ」

 ミゲルの脳裏に過ぎた日々がよぎった。

『何が軍隊に入ったら、腹一杯飯が喰えるだ、何が技術が身につけられるだ』

 リンドが突然首飾りをミゲルに見せた。

「コレ、お父さんとお母さんがくれた御守、笛だって」

「どんな音がするんだ?」

「知らない、吹いても音がしない」

「どれ、見せてみな」

 ミゲルが手を差し出すとリンドは笛を首から外してミゲルに渡した。

「ほう、コイツは、、、」

「吹けるの?」

「いいか、こうやって片側を指で押さえて、反対側から、唇をうすくすぼめて向こう側の縁を吹くんだ」

 ミゲルがやってみせる。笛は静かな心地よい音を発した。

「すごい!初めて聞いた!」

「いい音だ、」「?」「?」

 ミゲルの目の前でリンドは輝く粉をまとったように見えた。やがて、その姿は次第に薄くなり、だんだんと消えていった。

「リンド!リンド!」

 ミゲルは目をこすり、見開き、あたりを見廻した。

 リンドの姿はそこにはなかった。

「どういう事だ」

 ミゲルが握っていた笛が光りだした。どこからか声が聴こえる。

「ありがとう、ミゲル、心配しないでください、リンドはすぐに戻って来ます」

「誰だよ?」

「私はリンドの母です、夫もいます、私達は魂を笛に宿しリンドを見守っているのです」

「あの子はどこへ?」

「未来です、その笛はリンドのタイムリープ能力を目覚めさせるものなのです」

「エルフの超能力か?」

「そうです、やっと笛を吹く事が出来る人と出会えたのです」

「俺のことか?」

「そうです、私達はリンドを追いかけます、リンドの事をよろしくお願いします」

「・・・」

 ミゲルは言葉を失った。笛はリンドと同じように消えていった。

「夢でも見てるのか?だが、これがエルフの能力か?、、、」


「ミゲル、、、」

 後ろで声がした。紛れもないリンドの声だ。振り返るとそこにリンドはいた。

「なんだ、そこにいたのか、脅かすなよ」

「いっぱいもらって来た」

 リンドは背中に大きなリュックを背負っていた。リュックの中には、小麦粉、ミルク、チーズ、ハム、ソーセージに卵が入っていた。

「いったい誰が?」

「ミゲルだよ」

「俺が、どうやって?」

「未来の」

「本当に未来に行ってきたのか?」

「そうみたい」

「未来で俺は何をしていた?」

「農園をやってた」

「なんてこった、あぁ、神様、目に浮かぶようだよ、見渡す限りの黄金色の麦畑、牛に豚、鶏を飼って、俺は農場主になるのか?」

「そんなに立派なモノじゃ無いけどね」

「それで、みんなは?」

「わかんない、未来のことはよく覚えてない、すぐに忘れちゃうみたい」

「そうか、それがいい、あんまり知らないほうがいい」

「そうだね」


「ダドリー、驚いたか?俺は農場主になるんだぜ」

 ミゲルは昼休みに、昨日あったことをダドリーに話している。

「たいしたもんだ、その、笛は、エルフの笛にはあの子の母親が取り憑いてるのか?」

「取り憑いてるは言い方が良くないな、宿ってるんだ、両親が」

「つまり、エルフ三人分の能力がそいつに込められてるってことか?」

「きっとそうだ、アンタの見方はまとを得てる」

「なら、タイムリープ出来るってのもわからなくでもないな」

「だろう!エルフってぇのは不思議だよ、全く」

「で、農園はどこにある?」

「そこまではわからない」

「その、リュックにはなにかヒントになるものがなかったのか?」

「くまなく見たけど、何もなかった」

「じゃぁ、どうするんだ?オマエ、土地あるのか?」

「ないな」

「だったらどこに農園をつくる、買う金あるのか?」

「今はない、だけどいつか必ず、、、」

「どうやって?」

「そいつがわかれば苦労はねぇ」

「いったい何時いつになることやら」

 ダドリーはため息をついた。

「何年かかったってやってみせる!あの子達に腹一杯喰わせてやるんだ」

「そいつは出来ない相談ってもんだ」

 ダドリーは首を横に振った。

「相談、それだ!ダドリー!アンタやっぱり最高だ!」

「はぁ?」

「午後から休みをくれ!役場に行ってくる」

「あ、あぁ、そういうことなら、今すぐにでも行って来い」

「恩にきるぜ!」


 ミゲルは役場に入ると一番近い受付にかけよった。

「新聞で読んだんだが、農地再生とかって、どこへ行けばいい?」

「だったら、六番の窓口で聴いてみてください」案内係は事務的に言った。

「六番ね、ありがとう」

 ミゲルは半歩あとずさりしてから振り向いた。

「アレだ!」

 窓口には、痩せて丸い眼鏡をかけた年配の男が座っていた。

「農地再生のことなんですが、、、」

「そこに、かけて」

「はい」

「農地再生事業に参加希望、ということですか?」

「そ、そうです」

「あなた、魔法は?」

「火炎と、冷気を少し」

「ほう、両刀使いか、」

「二刀流で」

「今時はそういうね、仕事は?」

「パン屋です」

「お勤め?」

「はい」

「ずっとそこに?」

「戦時中は軍隊に」

「ほう、どういった部隊で?」

「ドラゴンライダー隊でした」

「そりゃ、たいしたものだ、乗っていたドラゴンは?」

「サラマンダーβ二型」

「サラマンダー!?エースじゃないか!」

「いや、もう終わったことなんで」

「アンタ、軍隊にいたことを負い目に感じてるね」

「かもしれない」

「たとえ結果がどうあれ、アンタはこの国を守ったんだ、胸を張っていい」

「そんなふうに言われたのは初めてだ」

「近頃は元軍人は肩身が狭い、だけど兵隊はみんな早く戦争を終わらすために戦ってる、アンタもそうだろ」

「そりゃあ、もちろん」

「兵隊に良いも悪いもない、誰だって故郷に帰りたい、死んで魂が帰るしか選択肢がなかった人らもいたろう?」

「あぁ」

「あたしゃぁ戦争を肯定も美化もしない、始めた奴らが全部いかんのだ」

「もっともで」

「ところが、どこからが始まりわからんからたちが悪い、そうだろ」

「え、えぇ、あの、農地再生の話は?」

「そうだったな、火炎魔法が使えるなら、ポイントが高い、持ち主がいなくなって何年も経った荒れた農地は、雑草や灌木が繁ってる、そいつを火炎魔法で一気に焼払えばすぐにでも種がまける」

「ポイントって?」

「審査がある、職歴や特殊能力によって参加許可が出るか決まる」

「難しいだろうか?許可って?」

「そこはまかしてくれ、悪いようにはしない」

「頼みます」

「アンタ、新聞はどこで読んだ?」

「シーカさんの店で」

「あの後家さん、心が読めるってぇウワサだが?」

「あぁ、聞いたことある」

「アレは本当だ」

「どうしてわかる?」

「あたしもそうだから、色々聴いたがアンタが嘘をついてないか確かめせてもらった、希望地は街の近く、子供たちと暮らせるところでいいね」

「まいったな、お見通しか」

「結果が出るのは早くて二週間後、郵便で知らせるから、住所と名前は自分で書いてくれるかな?」

「よろしく頼んます」

「大船に乗った気でいればいい」


 それから二週間は長かった。仕事帰りにミゲルはポストを覗くが二週間経っても何もなかった。子供たちはそれぞれに周りとなじんでいた。ティムとケンは近所のオバサンに叱られることもあった。ジーナとタミーは学校に行くためにドリルを解いていた。リリューは、ミセス・シーカの店でアルバイトをしながら、進学するかどうか考えていた。リンドはマイペースだった。

 それからさらに5日、ポストを覗いても何もない、本当に農地再生の許可など出るんだろうか?半信半疑でアパートの扉を開けると、子供たちが輪になって集まっていた。

「どうした?なにかあったのか?」

ミゲルが上着を脱ぎながら言うと、リリューが驚いたように振り返った。

「手紙が、、、役場から」

「手紙!?、、、役場?」

 ミゲルの胸は高鳴った。テーブルの上に置いてあった封筒をとると、深呼吸をしてから封を開けた。

「・・・・・」

「何なの?」心配そうに見詰めるリリュー達。

「ブラボー!」

ミゲルは歓喜した。

「だから、何なの!?ミゲル!教えて!」リリューは泣きそうになっている。

「農園だ!農地再生の許可が降りたぞ!」

「やったね!ミゲル!」珍しくリンドも興奮気味だ。

 リリューはミゲルに抱きつくと

「どこにも行かない?どこにも行っちゃイヤ、もう一人にしないで」

 リリューは泣きじゃくっている。

「どこにも行っちゃイヤだ!」ジーナもティムもタミーもケンも口々に言った。

「心配しなくていい、みんな一緒だ」

「役場からの知らせは怖い、、、」リリューの目から涙がこぼれる。

「そうか、そうじゃない、この手紙はそうじゃないんだ」

 リリューの心の傷が、ミゲルにも痛かった。


 場所は街から乗り合いのポヨンポで30分ほど、歩けば二時間はかかる。数件の農家が点在する緑豊かなところだ。


「突然ですまない、色々世話になった、ありがとう」

 ミゲルはダドリーに別れを告げていた。

「なぁに、海の向こうに行くわけじゃなし、たまにゃあ出て来い、落ち着いたら俺の方から邪魔するよ」

「ぜひ来てくれ、歓迎するよ」

「しっかりやれよ!子供たちのためにも」

「ありがとう」

 

 ミゲルと子供たちは僅かな荷物を載せた貨物ポヨンポの荷台に乗っていた。

 ミセス・シーカや風呂屋のマーシュ、商店街の人たち、近所のオバサンに、挨拶を済ませて目的地に向かっていた。

 子供たちは変わって行く景色に興味津々だった。

 リリューは心地よい風に髪をゆらし、静かな歌を口ずさんでいた。

 リンドは、運転席の屋根の上に顔を出して風を読んでいた。

 誰もがこれからの希望に思いを馳せていた。


    第一話 完




 









 






 

 















 



 


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黄色い戦争のあと〜エルフと笛とクレイが在った〜 中田 完二 @6encebrian

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