本村太陽警部補による捜査記録
××警察署は春山智晴の報告を受け、改めてこの件を事件と見なした。現在、春山智晴の作成した男性の顔貌復元を基に調査を行っている。以下、
『……よし、ここからの会話は録音させていただきます。それでは、もう一度、この男性についてお話しください』
『はい。こちらの男性はよく当店をご利用されておりました』
『男性について何か覚えていることはありませんか?』
『……よくエナジードリンクを買っていましたね。目元に濃い隈も浮かんでいて、あまり眠れていなかったんじゃないでしょうか』
『わかりました。他には何かありませんか?』
『……私にはありませんね。なにしろ、こちらのお客様は夜間にご来店されることが多く、あまり顔を合わせたことがなくてですね』
『その話、詳しく教えていただけますか?』
『え? えぇ、わかりました。こちらのお客様はいつも九時ごろにご来店されましてねぇ……あぁ、そうだ。斉藤くんに聞いてみましょう』
『斉藤くんとは?』
『うちの学生バイトですよ。午後六時から十時までシフトが入っていまして、こちらの男性の接客はほとんど彼が行っていたはずです』
『なるほど、貴重なお話しをありがとうございます。よろしければ、斉藤さんの連絡先をお聞きしても?』
『ええ、ええ、構いません。私からも連絡しておきます。もし、また何かあれば、お気軽に当店へお越しください』
『わかりました。ご協力感謝いたします』
『斉藤さん、ご足労いただきありがとうございます。ただいまより行う捜査は全て録音記録させていただくことをご留意ください』
『わかりました。……えっと、それで、バイトの話っすよね?』
『はい。斉藤さんの勤務時間、午後六時から十時にかけて、こちらの男性がよくお店に訪れるとお聞きしました。それは事実ですか?』
『……はい、そうっす。って言っても隈があって、咳き込んで、もっと不健康そうな顔してましたけどね』『わかりました。では、こちらの男性について何か知っていることはありますか?』
『知っていることって言われても、ただの客と店員っすからねぇ。うーん、ああ、大学生だったはずっす』『本当ですか? どこの大学でしょうか?』
『いや、そこまではわかんないですけど、二週間前くらいっすかね? いつもはエナドリなのにお酒をいっぱい買ってまして。そんで領収書を書いたんすよ。どこかは忘れちゃったんすけど、大学名だったんで、たぶん大学生だと思います』
『たいへん貴重な情報です。他に何か情報はありますか?』
『これ以上はないっすね、すいません。ところで、この人がどうかしたんですか?』
『実はですね……』
(音声記録はここで停止する)
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