実家の様子を見るため1人バスで出かけた妻が事故に遭った。事故の場所が妻の行き先とは遠く離れた場所だったから始まるか夫婦の愛憎劇と家族ドラマといいましょうか。
搬送された病院で再会した妻は体のあちこちに怪我をしており特に頭部の怪我で失語症を患い自分で言葉を発することができません。記憶喪失にせず失語症というところがいいですね、自分が嘘をついたという自責の念は残ったままですから。
主人公は妻のスマホや友人など色々な場所から情報を得て妻の隠された秘密を少しずつ露わにしていきますが、その過程が何か知りたくてページを送る指が止まりません。ワクワクします。
そしてはっきりする妻の不貞の全貌。知らなければよかった。知ってしまったからには無かったことにはできない。妻の裏切りは許せないが・・と苦悩し感情を露わにする主人公と、そんな親に対し残酷な真実を知っても家族の絆を訴える子供たちのクライマックスは心が揺さぶられるシーンで一読の価値ありです。
現代社会における様々な男女や夫婦の愛憎劇を書かせたらカクヨムの作者の中でも異才の1人の放つ素晴らしいサスペンスです。根底に人間への愛や優しさがある作者様のエピローグを読んで本当によかった・・・と心地よい読後感に包まれました。
お勧めです。ぜひご一読を。
P.S 最近TBSで放映しているドラマで似たようなとっかかりのもの(バス事故が夫婦の秘密を暴く)があったので、そのドラマとの料理の仕方の違いも面白いなと思います。