本作は、個人と国家、倫理と生存、罪と罰を突きつけた短編。「他人の犠牲の上に成り立つ幸福」を根本から否定しています。夢のシーンは特に強烈。「夢」と「現実」2段構えで、自分の命を繋ぐために裏で犠牲になった少女たちが、主人公を責め、生身を奪い返すという、容赦ない描写は、「罪の意識」と「報い」を強く想起させます。人間の業や倫理を問う作品が好きな方、社会問題を深く掘り下げる小説が好きな方、へオススメの一作です。