第2話元旦、喫茶店にて

 今日は元旦。

 例年通り寝正月にしようかなと思っていたのだが、昨夜はすぐに眠って熟睡したので、もう朝から元気で、元気で。

 ということで、近所の店などは全部閉まっているので、ちょっと足を伸ばして元旦からやっているショッピングモール探索に行ってきた。

 福袋だか、ふくびきだか、キャラグッズだかが目的で、モール内にすんごい行列ができている。

 なんで並んでるのかは知らないが、元旦からみんな元気だなぁと行列を眺めてほのぼのする。

 さて、本屋に来ると、もう今日買う本は決まっている。

 私の推し哲学者、永井玲衣さんのエッセイ集「さみしくてごめん」。

 これ電子書籍で持ってるのだが、どうしても紙の本が欲しくなったのだ。

 この前、本屋でこれを見かけて、ちょっと気になっていたので、元旦だし、えいやっと思い、買うことにした。

 このエッセイ、けっこう前の永井さんの日記風の文章をまとめたもの。

 かる〜く読めるので、喫茶店などで紙で読みたいと思っていたのだよ。


 ということで、この本を買うと、さっそくモール内の喫茶店に入り、美味しい珈琲を飲みつつ、ゆっくりと読む。

 う〜ん、元旦早々、優雅な年明けであることよ。


 永井さんのエッセイってとても優しくて、穏やかだ。

 そりゃ、哲学者なのでたまには深く、ちょっとマジメな話題もあるが、基本、ま〜ったりと過ごしている日常を描いている。

 

 ふむふむと頷きつつ読み進める。

 

 すると、私の隣の席に高齢の女性と車椅子の大人の男性が座った。

 想像するに、この女性がお母さんでこの男性は息子さんだろう。

 車椅子生活、想像するだけでもかなりキツイ生活だと思う。

 しかし、そんな中でも元旦から喫茶店にきて、ささやかに、ゆったりとなさっているのだろう。

 しばらくすると、その息子さんの前にちょっと高めのピザトーストが置かれた。

 そして、お母さんの前には珈琲のみ。

 二人でピザを分け合うのかなぁと思っていたら、なんとお母さん、袋からおもむろにバナナを取り出し、皮をむいて食べ始めた。

 これ、マナー違反というよりも、息子さんに豪華な朝食を食べさせて、自分はバナナで我慢するという、なんともいじらしい感じが伝わってきて、思わずうるっとしそうになった。


 世の中には本当に大変な生活をなさっている方は多い。

 そんな、世間の様々な面を見たような気持ちになった。

 

 元旦から、ちょっとじーんとしたのであった。




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