夢士の秘密を誰よりも早く感知しながら、問い詰めるのではなく黙って隣に立ち続ける——鴇耀優というキャラクターの魅力が、このサイドストーリーで初めて正面から描かれています。
第1話の「変わればいいのに」という直感的な一言が、10話かけて「夢士を失いたくない」という覚悟に変わっていく過程が丁寧で、友情の深まりを説明せずに行動で見せる構成が好ましい。特に第7話、倒れた夢士を前にハンカチを取り出す場面は、耀優の強さと脆さが一瞬に重なる印象的なシーンでした。
本編の裏側にこれだけの感情が流れていたのかと、読後に本編へ戻りたくなる作りになっています。「守護神」と称されるキャラクターが、実は誰よりも怖がっていたという逆説が、耀優という存在をより人間らしくしています。