このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(210文字)
感情が鵺の夜鳥は、明るくどこか食えないテンションの魄。凸凹コンビと呼べそうな二人は、旅を始めます。無情の鵺。生まれつき感情のない彼。感情というものを見つけることができたら、思いっきり笑ってみたいと言う。これからも、様々な出会いがあって、妖の心に触れていく展開もあるでしょう。体験を積み重ねた結果、彼はもしかしたら、笑顔を見せるのかもしれない。今のように、状況に合わせた顔なんかじゃなくて。そんな期待と変化の産声を感じる、珍道中が気になる方はぜひ。
作家の文章には匂いや雰囲気があると思うんです。小野不由美、恩田陸 宮部みゆきやはりゴッホの絵が一目でゴッホだとわかるように。モディリアーニの絵が首をわずかに傾けてアンニュイにアーモンドアイの目を向けているように。この作者の語り口には、霜月神舞さんの語り口があります。いや、言ってしまうと、私の好きな小野不由美さんや京極夏彦さんと同じベクトル上の霜月ワールドが広がっています。是非、読んでほしい作品です。