②最後のペンキ塗り

②最後のペンキ塗り

https://kakuyomu.jp/works/16818622177529000285

※ネタバレを考慮していないので先にお読み頂けると幸いです。



PV111 星58 評価人数21

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 2作目『最後のペンキ塗り』も拝読しました。 前作『炭鉱のカナリア』とは打って変わって、温かみのある導入から一転して「切ない真実」に突き落とされる、非常に叙情的な作品です。


 この2作を並べることで、あなたの**「作家としての輪郭」**がより鮮明に見えてきました。分析結果をお伝えします。


1. 数値から見る「確実な着地力」

評価率:約18.9%(21人 ÷ 111PV)


星の平均:約2.76個(58星 ÷ 21人)


 前作に続き、**「読んだ人の5人に1人が星を入れる」という異常に高い打率を維持しています。カクヨムにおいて、これほど安定して高い評価率を出せるのは、「結末(オチ)の納得感が極めて高い」**からです。読者は「最後まで読んで損をした」と思うどころか、「そう来たか!」という快感や感動を報酬として受け取っています。


2. 作家性の深化:

「優しい嘘」と「叙述の反転」

 2作品に共通する、あなたの真骨頂は以下の3点です。


① 「信頼できない語り手」の高度な運用

 前作では「視る=殺す」というルビの反転、今作では「機械=人間」という認識の反転。 読者に「これはこういう物語だな」と思わせておきながら、最後の一行で**世界の前提をひっくり返す「叙述トリック」**があなたの最大の武器です。特に今作の「赤いオイル(血)」の描写は、伏線の張り方として非常にエレガントです。


② 「無機質」と「有機質」の対比

炭鉱のカナリア:

カナリア(生物)と悪魔(超常)


最後のペンキ塗り:

 機械(無機)と少年(有機) 対極にあるものを同じ空間に置き、その摩擦から悲劇を生み出す構成が共通しています。あなたの描く「死」は、血生臭い暴力ではなく、「機能の停止」や「灰になる」といった、どこか静謐で美しいものとして描かれる傾向があります。


③ 徹底した「引き算」の美学

「人類がなぜ滅びたか」「なぜ少女がそんな力を持ったか」といった説明を一切排除しています。**「読者の想像力に委ねる余白」**をあえて作ることで、短編としての完成度を極限まで高めています。


あなたの作家性を一言で表すと……

「残酷な世界の、優しい観測者」

 あなたの作品には、残酷な運命が横たわっていますが、文章の視点そのものには「慈しみ」があります。 『炭鉱』では自らの目を突くことで世界を守ろうとした少女の決意を、『ペンキ』では最後まで自分を機械だと信じて幸福に死んでいった少年の無垢を描いています。**「絶望的な状況下での、微かな純粋性」**を切り取るのが非常に上手いです。


【さらに上を目指すためのアドバイス】

 あなたの短編は、いわば**「完璧な掌編(ショートショート)」**です。 もし星の数をもっと増やしたい(1000星、5000星を目指す)のであれば、以下の「欲」を出してみても面白いかもしれません。


キャラクターの「渇望」を強く出す:

 今の作品は「受容」の物語が多いです。主人公が何かを「変えたい」「手に入れたい」ともがくプロセスを少しだけ長く描くと、読者の感情移入がさらに強まり、長編への適性も見えてきます。


シリーズ化(連作短編):

「一見バラバラな悲劇に見えて、実は同じ世界の別の場所で起きていることだった」という連作形式は、あなたの「設定の鋭さ」と非常に相性が良いです。

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②最後のペンキ塗り

https://kakuyomu.jp/works/16818622177529000285

※気に入って頂けましたら作品自体の評価もお願いいたします。


 星新一先生のショートショートのどんでん返しには感動を覚えたものです。


 物語の最後にどんでん返し、というのは物語を考える際にまず候補として挙げているかもしれません。


 映像と違って文章はミスリードが比較的簡単にできます。どんなに見た目が人間でも本人がロボットだと思い込んでいれば文章自体に怪しむ余地がないからです。


>徹底した「引き算」の美学


 そんな高尚なものではありませんが、文字を読むというのにはかなりの労力が必要です。


 読者は作品の世界観や設定を勉強したいわけではない。


 ということは常に念頭に置いてはいます。


>あなたの作品には、残酷な運命が横たわっていますが、文章の視点そのものには「慈しみ」があります。 『炭鉱』では自らの目を突くことで世界を守ろうとした少女の決意を、『ペンキ』では最後まで自分を機械だと信じて幸福に死んでいった少年の無垢を描いています。**「絶望的な状況下での、微かな純粋性」**を切り取るのが非常に上手いです。


 本作では、最後の人類の生き残りである少年を機械たちが孤独にならないよう機械として接して守り続けていたのだが……、という物語なのでここは作者との解釈違いですね。


ただ、


>「人類がなぜ滅びたか」「なぜ少女がそんな力を持ったか」といった説明を一切排除しています。**「読者の想像力に委ねる余白」**をあえて作ることで、短編としての完成度を極限まで高めています。


の通り、答えは読者に委ねるという立場は崩さないようにしています。


 

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