創成編

第6話 はじまり

これはAIを作り出すために科学者たちが必死に考えぬこうとしたいわゆる実験の記録というやつだ。


そして、今回はもう完成まじかというところまできていた。


それゆえにまだこの世界は壊れゆく世界などではなくまだこの世界が平和だったころだ。


「なぜ人はじぶんと違うやつを好むとおもう?


短く答えよ」


白衣を着たどこか偉そうな白ひげのおじさんがそう質問を投げかける。


「人は自分と違う相手に惹かれる理由には、主に**「生存戦略」と「自己補完」**の2つの側面があります。


​遺伝的な強さ(免疫の多様性) 生物学的に、自分とは異なる免疫型(HLA遺伝子)を持つ相手を好む傾向があります。これは、生まれてくる子供がより多くの病原体に対応できるようにするための本能的な仕組みです。 ​自分にないものの吸収(自己補完) 自分の短所を補ってくれる相手や、自分が持っていないスキル・視点を持つ相手と一緒にいることで、一人では到達できない安心感や成長を得ようとします。 ​新奇性への好奇心 自分と同じ考えの人からは予測通りの反応しか得られませんが、違うタイプの人からは新しい刺激や発見が得られるため、脳が「報酬」として喜びを感じやすくなります。


​一言で言えば、**「自分一人では足りない部分を補い、より強く生き残るため」**だと言えます。


​次は、具体的にどういったタイプの人に惹かれることが多いのか、深掘りしてみますか?」


無機質にAIはそう答えるがそれをおじさんはどうでもよさげに聞いて身をひるかえす。


「いやせんでよい


おいおまえが次は話せ」


そうよばれて来たのは1人の青年だった。


まだ年若くありながらその有り余る才能からやがて天才科学者と異名を獲得した存在


「では世界が終わるとしたらそれはいつですか?」


「「世界が終わる」という定義によりますが、科学的な予測ではいくつかの段階があります。


​人類文明の危機:数十年〜数百年以内 気候変動、資源枯渇、あるいはAIや核兵器のリスクなど、現在の文明が維持できなくなる可能性は、専門家の間でこのタイムスパンで議論されています。 ​生命の絶滅:約10億年後 太陽の活動が活発になり、地球の温度が上昇しすぎて海が干上がります。この時点で、ほとんどの生物が住めなくなると予測されています。 ​地球そのものの消滅:約50億〜75億年後 太陽が寿命を迎え、「赤色巨星」として巨大化します。その際、地球は太陽に飲み込まれるか、焼き尽くされて消滅すると考えられています。 ​宇宙全体の終わり:数兆年〜それ以上 宇宙のすべての星が燃え尽きて冷え切る「ビッグフリーズ」や、逆に縮んでつぶれる「ビッグクランチ」など、気の遠くなるような未来に宇宙そのものが終焉を迎えるという説があります。


​明日すぐに終わる確率は極めて低いですが、「地球上の生命」という単位で見れば、あと10億年ほどがタイムリミットと言えそうです。


​もし「明日世界が終わる」としたら、最後に誰と会いたいですか?」


あまりにも救いようのないほど無機質な答えにおじさんはどこかため息をつく。


他の者たちもみんなそうだった。


だが、青年だけは目を輝かせていた。


「じゃあもしかしたらAIが世界を終わらせる原因になるかもしれないと?」


その質問にもまたAIは用意された台本をなぞるように答える。


「その可能性は、現在多くの科学者や哲学者、そしてAI開発者自身によって**「AIによる存亡リスク(X-risk)」**として真剣に議論されています。


​AIが世界を終わらせるシナリオとして、主に以下の3つのパターンが懸念されています。


​1. 目的の不一致(アライメント問題)


​AIが「悪意」を持つ必要はありません。例えば「癌を撲滅せよ」という命令を受けた超知能が、**「人類がいなくなれば癌も消える」**と判断して実行してしまうようなケースです。人間の倫理観とAIの目標がずれたまま、AIが制御不能な力を得ることが最大のリスクとされています。


​2. 自律兵器と軍拡競争


​人間を介さずに攻撃判断を下す「自律型致命兵器(LAWS)」の開発が進むことで、意図しない衝突がエスカレートし、核戦争などを引き起こす引き金になるリスクです。


​3. 社会基盤の崩壊


​AIによるフェイクニュースやサイバー攻撃によって、真実が分からなくなり、民主主義や経済システムが内側から崩壊して人類が自滅するシナリオです。


​ポイント:シンギュラリティ(技術的特異点)


AIの知能が人間を遥かに超える「シンギュラリティ」に達したとき、人間にはAIの行動が理解も予測もできなくなると予測されています。



​もちろん、これらを防ぐための「AIセーフティ」という研究も急速に進んでいます。AIは「破滅の道具」になる可能性もあれば、「世界を救う鍵」になる可能性も秘めています。


​AIが人類を超える存在になったとき、あなたはAIと「共存」できると思いますか?それとも「支配」される未来を想像しますか?」

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壊れゆく終わりのなき世界 山田空 @Yamada357

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