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ネット上ではよく『自分の事をババアと言う人がいるけど、私の事はどうなるの!!』なんて叫びが聞こえてくる事があるが、問題の根底は其処にはないのである。
要は視点の問題。其処を忘れているから厄介な事になる。
何、小学生から見たら、三十代も四十代もババアでしょ? それは多分小学生の半分は内心はそう思ってるんじゃない? 言われて傷付いたなら謝るけど、貴方を貶してる訳じゃないから。
ネット上では好きに振る舞う。良いも悪いも、好きも嫌いも何の制限もないままに振る舞う。
其れは一種の戒めである。現実世界では嘘も欺瞞も平気で行う私だからこそ、せめてネットの上、自分の投稿サイトでは、正直で居ようと思っているのだ。
誰にも流されず。ただ自分の言葉だけを拠り所にして。だから感想欄も閉じているし、求めたい人だけが残れば良いとも思っている。
そんな私は常に顔出しは疎か、年齢、性別も非公開である。男性向けに刺さるものも、女性向けに刺さるものも何方も書くつもりであるから、性別という概念が邪魔になる。年齢を公表すると『だからこの作者は考えが浅い、古臭い』などと言われない様にする為、あえて非公開。
好きに想像してくれて構わないが、希望が潰えた事により、私に槍を向けるのは許さない。と言う生き方をしている。隠すにはそれなりの理由があるのだ。
だがまぁ隠されている。と言う事は創造の余地があるという事で、感想欄を開いていた時にはこんな話を振られた。
――作者は若い女性の方かと。
なるほど。やはり気になるのか。ならばと思ってダメ元で後書きにこんな事も書いた。
――私、幾つに見えます?
できれば五十代、六十代ぐらいを指し示してくれると私としては大変嬉しいのだが。
すると好意的な通りすがりの読者の一人が感想をくれた。
――大変失礼ながら、四十代ぐらいかな。とお若かったら申し訳御座いません。
なるほど。もっとかさ増ししてくれても良かったのに。と言うことは黙って置いた。人の想像に割り込む悪癖はない。
「私、幾つに見えるかな?」
前に座る同居人に問い掛けると、さも面倒臭そうに瞬きをして、欠伸で返された。どうでも良いらしい。
「まぁババアだよ。あぁ、世の女性達を痛め付ける為に言ってるわけじゃないから。高校生以下の子達なんて、二十、三十を超えたら皆『おばさん』なんだよ」
だから視点の違い。若い子の前で『女の子』、『お姉さん』なんて傲慢に振る舞うつもりはないからね。
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