第1話の主人公の「立ち位置」が他のVRMMO作品にはない独自の面白さを持っている。10年かけて全20巻・2度のアニメ化を成し遂げた人気ラノベ作家の物部創一が、燃え尽き症候群で次回作のネタがゼロの状態でMJOに参加する理由が「格好のネタ集め」というのが最高だ。
プロゲーマーの親友・拓也との気の置けない乾杯シーンから始まり、「ビール飲みたいだけちゃうんか?」という関西弁のツッコミが温かい。二人の友情がすでに長年のものだと伝わる自然な会話で、読者もすぐにこの世界に引き込まれる。
MJOの売り文句——五感完全再現、中身が入ってるとしか思えないNPC、そして体感時間8倍——これをプロゲーマー目線で語る拓也に対し、作家目線で「1年で8年分のガチプレイが見れる! ネタの宝庫や!」と反応する創一のズレた熱量が絶妙で笑える。異色の主人公を活かした展開が楽しみな作品だ。