第二部まで読了。
魔法も奇跡も存在しない世界で、神聖視された黄金の髪と瞳だけが、信仰と王権によって過剰に大きな意味を付与される。
主人公アウレリアは当初、世間知らずで危なっかしい少女として登場する。だがそれは愚かさ故ではなく、十一年間も離宮に閉じ込められていたからだ。王国の滅亡と逃亡を経て、彼女は少しずつ世界を知り、自分に与えられた「聖女」という称号を、誰かを守るために自ら使い始める。
この成長が、単なる奇跡や、力の覚醒ではなく「知ること」と「選ぶこと」によって描かれれ行くのが良い。
群像劇、歴史ものという太い骨格の中に、きちんと人間の関係性と、成長が織り込まれている。
しかし、本当に興味深いと感じたのは、「黄金・灼熱・灰色」といった作中で登場する称号、あるいは蔑称。これらが、その人物の本質ではなく社会が貼った名前であること。そして、その人物が名前通りに生きず、意味の方を書き換えていく生き様。
鴉の手記が表なら、これらの記憶は裏。歴史に残らないもの。
そこに何が刻まれているかは、御自身の目で御一読あれ。
9章読了時点でのレビューです。
こちらは中世ローマ風の世界を舞台にした架空歴史もの、群像劇作品です。
その見た目により「聖女」という立場に置かれ閉じ込められていた少女アウレリアが、国の滅亡と共に外の世界のことを知っていきます。少女は何を知っていくのか、少女に隠されていることは何か――。
第一章では「一体何が起きているんだ」と情報量に少し戸惑うことがあるかもしれません。ですが、そこで読むことを止めるのは非常に惜しい作品です。
読み進めるのか迷った場合は、各章の終わりに配置されている『総集編』を先に読むことをお勧めします。
総集編を先に読んだ上で、各章を読み返すとさらに理解が深まること間違いなしです。
そして特に印象的なのは陰謀や因縁が渦巻くシビアな世界観でありながらコメディとシリアスのバランスが良く、思わず笑ってしまう時があることです。
本編に挿入される『ざっくり人物紹介』も、「え、そういう感じ?」と戸惑い、笑ってしまうかもしれません。この先はご自身の目で確かめてください。
はたして誰がどの情報を握り、それはどこまで真実なのか――。
10章からはいよいよアウレリアの護衛『ユリウス』の背景が詳しく描かれそうな予感です。ユリウスは何を知っていて、何を知らないのか。
シリアスとコメディのギャップやキャラクターが魅力的なこの作品。今後アウレリアにどのようなできごとが待ち受けているのか目が離せません。
歴史ものらしい重厚な世界観を持ちながら、魅力的なキャラクターたちが物語を引っ張る群像劇でした。
西セルディア王国の滅亡、東で続くレックスと皇后ベルダの対立、そしてアウレリア・ユリウス・ミリアの逃避行。この大きな歴史の流れと、登場人物それぞれの思惑や感情が噛み合っていて面白いです。トゥレンやヘリオスといった“クセの強い”キャラにもご注目ください。
アウレリアは、ただ守られる聖女ではなく、世間知らずながらも自分の目で見て考え、少しずつ自分の意思で立ち始めるところが魅力的でした。
一方のレックスも、冷たく人を動かす王子に見えながら、兵や民の側から見ると王が担うべき実務と責任を背負ってきた人物として立ち上がってきます。
歴史のうねりの中で、立場によって人物の見え方が変わるのがこの作品の面白さだと思いました。
1章で離脱するのはかなり勿体ないです。
2章から群像劇として一気に広がっていくので、そこからがこの作品の本番だと思います。
(人物紹介に注目ください)
第一部まで読み終えた時点でのレビューとなります。
面白くてド深夜に一気読みしてしまいました。
読み始める時は眠気を堪えていて、眠気が限界になったら寝ようと考えていたのに、気づいたら窓の外は明るく小鳥の嬉しそうな鳴き声が聞こえてきます。
私は泣きそうです。寝てないよ……。
魔法も超能力も出てきませんが、異世界を舞台に黄金の聖女を巡る物語が展開していきます。そこがむしろ良い!
(一応聖女様は嘘を見抜く瞳を持っていますがそれくらいです)
国の事情や宗教観、同じ国でも立場によって考えや目的が違ったり、作り込まれた設定と無理のない、けれど飽きさせない展開が楽しませてくれます。
作中の登場人物たちも一癖も二癖もある人たちが揃っており、話が進むにつれて違う面も見えてきたり、お互いの掛け合いから見えてくる面もあって面白いです。
個人的には護衛のユリウスが一推しです。お前、聖女の護衛なのに活躍とポンが半々くらいじゃないか……?
ここから先のさらなる活躍を聖女様に祈っておきます。