6章読了時点でのレビューです。
中世ローマ風の世界を舞台にした群像劇作品です。
それまで「聖女」としての立場に置かれていた少女アウレリアが政治的陰謀や戦争に巻き込まれていく中で自身の象徴としての価値や、「何ができるのか、何をしたいのか」を模索していく過程が非常に丁寧に描かれていると感じました。
陰謀や因縁が渦巻くシビアな世界観でありながら、ギャグとシリアスのバランスが良く、テンポよく読み進めることができます。
そして登場キャラクターたちも個性豊かで魅力を感じます。
作中ではその人物にとって切実な苦しみでありながら読者視点ではどこかおかしく映るようなシーンもあり、そのギャップをおもしろく感じました。
また、本編に挿入される「ざっくり人物紹介」も作品理解を深める楽しい要素として印象に残っています。
アウレリア陣営と他の陣営との視点が交差することで様々な情報が飛び交い、どこか不穏な空気を感じました。
はたして誰がどの情報を握り、それはどこまで真実なのか――。
7章からはいよいよ戦争の足音を感じます。
今後アウレリアにどのようなできごとが待ち受けているのか目が離せません。
歴史ものらしい重厚な世界観を持ちながら、魅力的なキャラクターたちが物語を引っ張る群像劇でした。
西セルディア王国の滅亡、東で続くレックスと皇后ベルダの対立、そしてアウレリア・ユリウス・ミリアの逃避行。この大きな歴史の流れと、登場人物それぞれの思惑や感情が噛み合っていて面白いです。トゥレンやヘリオスといった“クセの強い”キャラにもご注目ください。
アウレリアは、ただ守られる聖女ではなく、世間知らずながらも自分の目で見て考え、少しずつ自分の意思で立ち始めるところが魅力的でした。
一方のレックスも、冷たく人を動かす王子に見えながら、兵や民の側から見ると王が担うべき実務と責任を背負ってきた人物として立ち上がってきます。
歴史のうねりの中で、立場によって人物の見え方が変わるのがこの作品の面白さだと思いました。
1章で離脱するのはかなり勿体ないです。
2章から群像劇として一気に広がっていくので、そこからがこの作品の本番だと思います。
(人物紹介に注目ください)
第一部まで読み終えた時点でのレビューとなります。
面白くてド深夜に一気読みしてしまいました。
読み始める時は眠気を堪えていて、眠気が限界になったら寝ようと考えていたのに、気づいたら窓の外は明るく小鳥の嬉しそうな鳴き声が聞こえてきます。
私は泣きそうです。寝てないよ……。
魔法も超能力も出てきませんが、異世界を舞台に黄金の聖女を巡る物語が展開していきます。そこがむしろ良い!
(一応聖女様は嘘を見抜く瞳を持っていますがそれくらいです)
国の事情や宗教観、同じ国でも立場によって考えや目的が違ったり、作り込まれた設定と無理のない、けれど飽きさせない展開が楽しませてくれます。
作中の登場人物たちも一癖も二癖もある人たちが揃っており、話が進むにつれて違う面も見えてきたり、お互いの掛け合いから見えてくる面もあって面白いです。
個人的には護衛のユリウスが一推しです。お前、聖女の護衛なのに活躍とポンが半々くらいじゃないか……?
ここから先のさらなる活躍を聖女様に祈っておきます。