15 みつ

僕には大好きな恋人がいた。


僕は彼女の匂いが好きだ。

一緒にいるだけでどんな嫌なことも忘れられた。


付き合った時僕は誓った


『絶対に君を守ります』と



その時彼女は笑顔で風に吹かれながら

顔を赤くして『はい』と答えた。


その時風にのってきたのは彼女から香る

甘い"みつ"のような香りだったのをよく覚えている。


けど彼女は交通事故で亡くなってしまった。


彼女は死に際に言った。


『私がいなくなっても、自分のせいだと思わないでね、私が勝手にしたことなんだから』


けど僕は彼女の言うことを守れそうにない。


彼女は僕を庇って交通事故に巻き込まれた。


守るどころか僕は守られた。



彼女は最後までみつのような甘い匂いがした。


それと同時に僕は思った。


守ると誓ったのに


それは僕にとって償いきれない"つみ"


彼女から香った"みつ"と僕の"つみ"

順番が違うだけで本質的には同じなのかもしれない。


3年たった今でも彼女を忘れはできない。


3年前の"つみ"は"みつ"のように

僕に絡みついて離れない。

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