プロローグの一行目「右か、左か」から最後まで、息をつかせぬ展開が続く正統派ファンタジーです。二刀流の剣士・ユイルが初陣で見せる決断力と、救えなかった命への深い悔恨——この二つが序章で同時に描かれることで、主人公の人間的な厚みが最初から伝わってきます。
全8章・52話という大作でありながら、各章ごとに明確な課題(盗賊討伐、汚名、ドラゴン討伐、艦隊戦)が設定されており、読者を飽きさせない構成力が光ります。義弟レオン、義妹リィナ、仲間のラームといった脇役たちもそれぞれ個性があり、ユイルを中心とした絆の描写が物語に温かみを与えています。
既存のレビューでも指摘されている通り、展開がやや駆け足な章もありますが、それは裏を返せば「次が気になって止まらない」推進力でもあります。「宿命を使命に変える」というテーマが最終章まで一貫しており、読了後の達成感は相当なものです。王道が好きな方には自信を持っておすすめできる一作です。
黒髪の剣士ユイルが二刀流を振るい、過酷な運命を切り裂いていく王道ファンタジー。初陣の爽快感から始まり、仲間たちとの絆、ドラゴンとの出会い、そして大規模な艦隊戦まで、熱い展開が次々と押し寄せてきます。特にユイルの「絶対に諦めない」姿勢は読んでいて気持ちが良いですね。
作者さんの構成力で最後まで完走された点も立派です。ただ、イベントの進みが少々慌ただしいのは「京都の路地のように、もっとゆっくり味わいたいのに」と思わず微笑ましくなりました(笑)。それと、ユイルがあまりにも何でもできすぎるあたりは「お茶の子さいさいやなあ」と、ちょっと微笑ましいご都合も感じました。
とはいえ、純粋に「剣と仲間で頑張る」青春英雄譚として十分楽しめます。王道が好きな方におすすめです。作者さん、次回作も応援しています!