女と差別とボディブロー
ヌー大陸
第1話 黒い衝撃
「おい、ま○こ!茶持ってこい!」
兄が私に命令する。その言葉に同じ居間にいた父が反応した。
「
私の兄、優弥の荒い口調が気に入らなかったのか注意された。父の言葉を受け嫌そうに訂正をした。
「おい、おま○んこ!!お茶持ってこい!!」
兄の言葉を受け父が反応した。
「よし!!!」
馬鹿みたいな家庭だ。
おま○んここと私、
私の家は地方の名家で狭いコミニティー中で生き続けてせいか価値観がかなり昔で止まってしまっている。高校2年生、思春期真っ只中の私にも全く遠慮がない。毎日ゴミみたいな扱いを受け私の自尊心はズタズタになっていた。家庭環境に不満を抱きながらモヤモヤとしてたところに兄が話しかけてきた。
「おい、
「うん、化粧品を買いにドラッグストアまで…」
「あぁ、ただでさえおブスなんだからちったぁ見れる顔にしねぇとなぁ」
一言が多すぎる。
「帰りは何時になるんだ?」
「五時ぐらいには帰れるから」
「それまでに帰ってこいよ、帰ってこなかったらぶん殴るからな」
背筋が冷えつくような一言を投げられたが反論はできない。私の2つ上の兄は筋肉隆々、マッチョなラガーマンだ。
「わかった。五時までには絶対帰ってくる」
「絶対だからな」
私は家でも自由はなく、又の外出も厳しい時間制限付き。辛い現実に辟易しながら家を出る。
家を出ても気分が良くならない。あの家に戻ることが決まっているから。落ち込んだ顔を世間に晒さないように俯いながら。ドラッグストアに行くために街中をトボトボと歩く。すると目の前に知らない女性が現れた。
黒人の女だ。背は低くかなり体格が良い、はち切れそうなデニムの上には贅肉が積み上げられ、体格は丸みを帯び過ぎている。広い顔には厚い唇とは対照的な細い目と、潰れた鼻がつけられている。私の価値観ではお世辞にも綺麗とは言えない姿をしていた。
そんな女が私に、胸を張りながら話しかけてきた。
「ねえあなた。私とキスしない?」
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