面白いミステリの条件は、謎解き要素に加えて、魅力的なキャラクターと舞台設定、そして謎解き。本作は、そのすべてにおいて傑出したライトミステリです。
まず舞台は「学校」。誰もが経験している身近な場所にして、さまざまな個性の持ち主が集う社会の縮図が本作の舞台となっています。
そして学校で起こる事件の謎に挑むキャラクターは、「居眠り探偵」つむぎと、その幼馴染にして語り手(ワトソン役)の啓祐という学生コンビ。
本作は、各話本編が「問題編」と「解答編」に分かれており、読者が謎解きに参加することが可能な構成になっていますが、問題編のラストでは、名探偵・つむぎが謎解きのヒントを残して眠るという、個性的な演出があります。(背後から首筋に麻酔針を撃ち込まれて強制的に眠らされているわけではありませんので、どうぞご安心を)
そんな彼女たちが挑む謎も、ミステリファンならニヤリとする仕様。
アントニイ・バークリーの名作『毒入りチョコレート事件』を意識した第2話では、関係者がそれぞれの推理を披露しあって犯人を捜す展開をみせてくれます。
第3話は、探偵小説の金字塔シャーロック・ホームズ作品のうち、「暗号解読モノ」の代表作を意識した作品で、『踊らない人形』というタイトルがすべてを物語っています。読み終えた後、ああそういうことかと膝を打つこと間違いなしです。
手軽に読める学園ライトミステリ、ぜひお楽しみください!