第二章:教訓の森と最初の満たし
リモヒアの森は命の場所ではなかった。それは巨大な、呼吸する苦痛の有機体だった。幹が融合した木々は、巨大な獣の肋骨のようなヴォールトを形成していた。空気は動かず、毒の天蓋のように垂れ下がっていた。音はほとんどない――時折遠くで枝が折れる音や、沼地でのゴボゴボという音だけが。ここにはベスティアリウムのモンスターが住んでいたが、独立した存在としてではなく、この唯一の、病んだ体の器官として。
ヴァイトルは疲れも感じずに歩いた。内側の虚無は完璧な燃料だった――それは食物を求めず、休息を要求せず。ただ\*あった\*、そして満たされる必要があった。闇に適応した彼の目は、世界を灰色の陰影と、小さな冷たい昆虫の点や、より温かい齧歯類の斑点といった生命の熱核閃光で見ていた。
肉体的な飢えは二日目に訪れた。彼はベリーを見つけたが、苦く、痙攣を引き起こした。ナイフは狩りに役立たなかった。彼の手は石を投げられず、弓を引けなかった。彼は完璧な獲物だった。
そして彼は「キノコ歩き」を見た。その生き物は腐った切り株の根元でもぞもぞしており、キノコのコートは鈍い有毒な色にきらめいていた。それは傷ついていた――足が不自然に曲がり、おそらく「森の犬」との小競り合いの後だった。キノコ歩きは喘ぎながら、森の落ち葉と溶け込もうとしていた。
ヴァイトルは観察した。憐れみではなく。興味を持って。\*これだ――命、たとえ醜くとも。それは燻っている。奪える\*
だがどうやって? 殺すのは簡単だ。だが、その力を\*奪う\*には?
彼は背後から忍び寄った。彼の足音は無音だった――訓練ではなく、彼の本質そのものによるものだ。まるで彼は世界の境を歩いているかのように。彼は傷ついた獣を押さえつけ、指に湿った弾力のある肉と脆いキノコを感じた。キノコ歩きがきゅっと鳴いた。
そしてヴァイトルは本能的な、狂ったことをした。喉を切らなかった。彼は生き物の足の傷口、濁った生命力がにじみ出ている場所に顔を近づけ、\*吸い込んだ\*。血ではない。肉ではない。彼はキノコを脈動させ、心臓を鼓動させる\*本質そのもの\*、そのエネルギーを吸い込もうとした。何も起こらなかった。ただ粘液とキノコの胞子の不快な味だけ。冷たく静かな怒りが彼の中で沸き上がった。彼はキノコ歩きの頭蓋骨の付け根にナイフを突き刺し、そのもがきを止めた。そして、高まる狂気と全てを飲み込むアイデアに導かれて、彼は\*食べ始めた\*。ただ食べるだけでなく。彼は貪り食った。まだ温かい肉の塊を引き裂き、脆い骨を噛み砕き、背中のキノコをむしり取って噛み、舌に奇妙な、陶酔的な汁を感じた。彼は血まみれの毛皮と内臓だけが残るまで食べた。彼の胃は異様な重さと毒素で膨れ、うずいた。そしてそれが起こった。吐き気と熱の波、そして――奇妙な明晰さ。通常は言うことを聞かない彼の体は、奇妙な、震える力で満たされた。彼の目の前に幻影が浮かんだ――彼のではなく、\*キノコ歩きの\*幻影:足の下の湿った苔の感覚、猛禽の影への恐怖、背中のキノコが成長する深い植物的な喜び。そして…理解。キノコが湿気と分解する有機物を吸収し、栄養に変える方法についての、漠然とした、本能的な理解。ヴァイトルは立ち上がった。最も近い石に近づいた。掴もうとした。指は、いつものように密度を失い始めた。だが今回は…彼は\*集中した\*。石ではなく。満腹感、密度、\*満たされている感覚\*、それが彼の胃から来ることに。キノコ歩きから奪った本質に。彼はその密度が手に流れ込み、手を濃くし、現実的なものにするのを想像した。
そして石は――おお、恐怖よ、歓喜よ!――沈まなかった。それは震えたが、ヴァイトルは\*それを掴んだ\*。ほんの一秒間。その後、力は枯渇し、石は轟音とともに落ちた。だが事実は明らかだった。大食は罪ではなかった。それは\*仕組み\*だった。鍵だった。
彼の喉から飛び出した笑い声は、乾いて、きしみ、あらゆる人間性を欠いていた。彼は道を見つけた。虚無を満たすためには、貪り食う必要があった。命、本質、魔法を貪り食う。貪り食って、完全になるために。
次の数日は悪夢のような実験に変わった。彼は小さな生き物――森のネズミ、トカゲ、巨大な甲虫を捕まえた。殺して貪り食い、それぞれがどんな力を与えるかを理解しようとした。ネズミは聴覚の鋭さと振動への感度を与え、トカゲは木の皮にしがみつく一瞬の能力を、甲虫は皮膚のキチン質の覆いを一時的に濃くした。だが効果は弱く、すぐに消えた。より大きく、より強く、魔法に満ちた獲物が必要だった。彼はモンスターを狩り始めた。最初の本格的な標的は「砂ならし」――石から土地をきれいにする、モグラに似た平和な生き物だった。ヴァイトルは巣穴まで追跡した。彼の攻撃は不器用だったが、彼は呪いを武器として使った。砂ならしが彼に飛びかかってきた時、ヴァイトルは意図的に手の密度を失うことを\*許した\*。獣の爪は空を切り裂き、ヴァイトルの前腕の半透明の肉を通り抜けた。混乱した砂ならしは隙を見せ、ヴァイトルはナイフをその脇腹に突き刺した。貪り食いは彼に力を与えず、\*知識\*を与えた――土壌の構造についての本能的理解、地下の石を嗅ぎ分ける能力。戦闘では役立たないが、これが最初の技能だった。次に彼は「草の踊り手」を襲うリスクを冒した。小さく優美な、昆虫を惹きつける生き物。それは速かった。ヴァイトルは半日を費やして追跡し、石を投げて殺した(食べたウサギの後の満腹感に集中して、それを手に三秒間保つのに成功した)。草の踊り手を吸収することは、数時間にわたり彼に驚異的な優雅さとリズム感を与え、最もカサカサした落ち葉の上でも無音で移動することを可能にした。だが彼はもっと欲した。力。真の、魔法の力を。
彼の目は「霧の主」――霧を生み出し溶かす中立の存在――に向けられた。それは深い森の渓谷の縁、常に乳白色の幕で包まれた場所に生息していた。これは自殺的行為だった。だが虚無は恐怖を知らなかった。
ヴァイトルは渓谷の縁に近づいた。霧は濃く、生きており、彼の肌を冷たい湿気で包んだ。彼はその中へ一歩踏み出した。視界はゼロになった。そして彼は\*視線\*を感じた。目ではなく。肌全体で。生き物は彼の存在を知っていた。周囲の霧は濃くなり、粘着性のある冷たい触手に変わり、彼の腕、足、首を巻きつけた。彼は息ができなかった。濃厚な湿気が口と鼻を満たした。彼はもがいたが、力は比較にならなかった。飢えと実験ですでに弱った彼の体は、意識を失い始めた。そしてこの絶望の瞬間、死の瀬戸際で、狂気と飢えで研ぎ澄まされた彼の精神が働いた。\*僕はそれを掴めない。力で勝てない。でも…それと一緒に溶けることはできる\*彼は抵抗するのをやめた。自分の体ではなく、内側の虚無に集中した。彼は自分の境界がぼやけ、自身の本質が霧と同じくらい希薄になるのを想像した。彼が体であることをやめ、\*拡散する過程\*そのものになるのを。
霧の触手は突然彼を通り抜けた。いや、彼がそれらを通り抜けた。彼は地面に立っていなかった――雲の中に浮かび、彼の意識は広がり、霧の主の意識と混ざり合った。彼は森を上から、巨大な湿ったスポンジのように\*感じた\*。湿った空気の流れを感じた。核――意志と魔法の塊、それが生き物の心臓だった――を感じた。そしてヴァイトルは不可能なことを成し遂げた。物理的に攻撃する代わりに、彼は自身の\*虚無\*、彼の全てを飲み込む飢えを、直接この核に向けた。それを食べるためではなく…\*包み込む\*ため。その存在原理を奪い取るため。霧の主は苦悶でもがいた。霧は渦を巻き、うなりを上げた。だが遅すぎた。貪り食う者の本能に導かれて、ヴァイトルは肉ではなく、\*霧という概念そのもの\*を吸い込んだ:空気から湿気を凝縮する能力、その密度を制御する能力、自身の存在を拡散する能力。
彼が気づいた時、彼は渓谷の底にいた。全身濡れ、寒さと信じられないほど異質なエネルギーで震えていた。それは檻の中の鳥のように彼の中で暴れていた。彼は手を上げ、\*望んだ\*。掌の周りの空気が曇り、小さな、回転する雲に濃縮された。
彼は笑った。それは壊れるガラスと裂ける肉の音だった。彼は魔法を手に入れた。彼自身の魔法。奪取、吸収、虚無を満たす魔法。
彼はそれを\*\*貪り食う虚無\*\*と名付けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます