雨上がりのペトリコールと共に始まるのは──
〝妹を愛してしまった兄〟と
〝殺して救うと言い切る少女〟の物語
世界一大切な妹と
猫のシールをくれた〝殺人鬼の妹〟
二つの〝妹〟のあいだで揺れる心の声が
耳鳴りや息苦しさと共に丁寧に描かれていて
胸がきゅっと締め付けられるよう⋯⋯
友人との会話に紛れ込む〝最愛〟の違和感
雨が降るたび増していく
罪悪感と安堵のコントラストが
ひたすら生々しい
それでも〝止まない雨はない〟と呟く彼に
どんな結末が待つのか
静かな雨音のように
じわじわ心を侵食してくる──⋯