最強陰キャの実力隠し〜陰キャなので身の程を弁えて実力を隠して学園生活を送ってたらいじめられました。最強なので平気ですがヤバい奴らに目をつけられました〜
士流
第1話 最強の陰キャ
今は五月中旬。
こんな時期に僕は転校することになってしまった。
それはなぜか?
答えは陰キャなのに身の程を弁えなかったからだ。
僕は誰がどう見ても超陰キャ。
だが、大体なんでもできてしまうのが良くなかった。
見た目は陰キャの癖に、勉強もスポーツも完璧……。
それが気に食わなかったのか、クラスの陽キャ男子に囲まれリンチに遭った……。
のだが、逆にやり返してしまい陽キャ男子達に怪我を負わせてしまった。
それが学校で問題となり、僕は転校を余儀なくされた。
この時僕は誓った。
陰キャは陰キャなりに目立たず生きようと。
だからこの
そう思いながら僕は新しいクラスで自己紹介をする。
「
僕のクラスは二年一組だ。
漫画やアニメだと転校生はイケメンや美少女でクラスがざわめき、盛り上がるというのが一連の流れだ。
しかし現実はそう上手くはいかない。
僕は黒髪陰キャの万年ぼっち。
そんな奴が転校してきてもクラスが盛り上がるはずもなく、残念そうな声が聞こえてくる
「えー、美少女転校生がよかったなー」
「転校生ハズレじゃね?」
「完全に陰キャじゃん」
「もっとイケメンがよかったな〜」
普通の人ならここでメンタルが崩壊し、精神を病むだろう。
しかし僕は陰キャを極めた男だ。
この程度の悪口なんて慣れている。
「黒谷の席はあそこだ」
黒髪のポニーテールが特徴な美人担任が僕の席を指差す。
その席は、一番後ろの奥。
つまり主人公席だ。
僕の隣の席を見ると、金髪ツインテールロリ巨乳な生徒が座っていた。
僕の苦手なタイプだな……。
というか、金髪ツインテールなんてまだいたのか。
そう思いながら自分の席に座った。
休み時間となり、普通の転校生ならクラスの生徒達が僕の元に駆け寄り、話しかけてくれるのだろう。
しかし、陰キャの僕にそんな事は無い。
その日は結局、クラスメイトとは話さずに一日を終えた。
そして学校の帰り道、自宅へと向かって歩いていると……。
ん?なんだあれは?
突如、僕の視界に入ったのは、黒月高校の制服を着た女子生徒が、大柄な男に腕を掴まれ、無理矢理路地裏の方へ連れて行かれる姿だった。
そして、大柄な男の後ろに三人の男性がいた。
てかあれって……。
「隣の席の金髪ツインテロリ巨乳じゃん」
女子相手に男四人かよ……。
クズ野郎共め!
僕は男たちを追いかけ、路地裏に入った。
路地裏に入るなり、男たちの声が聞こえてくる。
「ねーねー、ちょっとくらい良いじゃん!俺らと遊ぼうよー」
「つーか君めちゃくちゃ可愛いね?」
「胸でけーー!!最高かよ!!」
「少しくらい触ってもいいよな?なぁ、触らせてくれよ」
ゴミ共が!潰してやる!!
僕は男たちに声を掛けた。
「おい。何やってんだてめーら。女子一人に男四人とか恥ずかしくねーのかよゴミが。ゴミは黙ってゴミ箱にでも入ってろよ」
男たちは僕の方を振り向き、反応した。
「あ?誰だてめー」
「今なんつった?殺されてーのか?」
「陰キャ野郎が……ぶっ殺してやる!」
「カッコつけてんじゃねーよ!!」
男たちが僕の方に歩み寄ってくる。全員目つきが悪く、僕よりも身体は大きい。金髪や赤髪に大量のピアス……。典型的な不良だ。
とりあえず潰す一択。
男四人のうち、一人が僕に殴り掛かってきた。
「オラァァァ!!」
男性はすごい気迫だ。
だが、気迫だけじゃ喧嘩は勝てない。
僕は男性のパンチを軽やかに避け、腹部を思い切り殴った。
ドンッ!!
「がはっ!」
男性は気絶して倒れた。
まあ、こんなもんか。
僕がそう思っていると、残りの男たち三人が一斉に襲い掛かってきた。
「舐めてんじゃねー!!」
「殺してやる!!」
「死ねぇー!!」
どいつもこいつも動きが単調で読みやすい。
まずは一人目のパンチを避け、顎に一撃。
「あぐっ!」
顎を殴られた男性は気絶した。
次に二人目のパンチを受け止め、ローキックで男性の左ふくらはぎを思い切り蹴った。
ドシッ!!
「ぐわっ!!」
ローキックを喰らった男性は膝をついた。
そして、僕の腰下まで下がった顔面を思い切り蹴飛ばした。
ドゴッ!!
「ぶはっ!!」
男性は吹っ飛び気絶した。
あとは最後の一人のパンチを避け、飛び膝蹴りを顔面に喰らわした。
バゴッ!!
「がはっ!!」
これで男たちは全員気絶。
あっけなかったな……。
僕は金髪ツインテロリ巨乳に話しかける。
「大丈夫?」
金髪ツインテロリ巨乳は驚きながらも口を開いた。
「あ、ありがとう……。てか、あ、あんた……今日転校してきた隣の席の陰キャ……」
「そうだよ。僕は陰キャだ。だから今日ここであった事は内緒にしてくれるかな?僕は陰キャとして平穏に学園生活を送りたいんで」
僕はそう言ってその場を立ち去ろうとするが……。
「ま、待って!」
金髪ツインテロリ巨乳に声をかけられた。
僕は振り向き、金髪ツインテロリ巨乳の顔を見た。
「出来るだけ僕に話しかけないでくれるかな?学校内でも学校外でも。今回はたまたま君がピンチだったから助けただけ。さすがに放っておけなかったし。でも僕は陰キャだし、陰キャらしく学園生活を送りたいから。じゃあ」
僕はそう言ってその場を去った。
最後に金髪ツインテロリ巨乳がどんな顔をしていたか知らないが、これでいい。
僕は陰キャとして平穏に生きると決めたのだから。
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