『チョコレートクイーンは真実の雨に濡れる』、紹介文の時点で設定が尖りすぎて思わず声が出ました。
だって「古いトイレの底に溜まった“アレ”を通じて、他者と精神的に繋がれる」って……発想が強すぎません? そんなこと思いつく?っていう驚きから読み始めたのに、読み進めると妙に筋が通ってて、笑いながら「いや……でも分かる……? うん、分かる……かも」って、なぜか納得させられてしまうのが悔しいです。
主人公・唯依(ゆい)は、過剰な潔癖社会の中で「トイレに座ること」でしか孤独を癒せない。もうこの時点でブラックコメディの香りが濃いのに、そこへ狂気のカルト団体と、下水から市民データを集めようとする組織まで殴り込んできて、世界がどんどん“下へ流れていく”のが最高に吹っ飛んでます(褒めてる)。
しかも笑わせるだけじゃなくて、山の描写や匂い・空気・身体感覚の書き方がちゃんと上手いから、この設定なのに妙に没入しちゃうんですよね。
「汚物×感動のスプラッシュ・ブラックコメディ」を名乗るだけあって、下品に振り切りつつ、最後は……綺麗にまとまります。ん? 綺麗?
完結済・全10話でサクッと読めるので、「頭の中を一回洗いたい」人におすすめです。
*ポジティブフィルターは掛かってません。率直なレビューです。