『報復の魔王は教壇に立たない ― 解析魔王ディルニアの例外的義務 ―』
夜櫻 雅織
第一章「日常の切れ目は突然に」
プロローグ
人との接点なんて、なるべく少ないに越した事はない。
人は、他者を利用する生き物だ。それが合意であれ、強要であれ、人は人をこき使う。時に死ぬまで、時に契約が済むまで、時に借りを返すまで。
人は、罪深い生き物だ。
少しでも力のある者が居れば直ぐに自身の権力争いに参加させようとする。こっちにも都合があるのに、少しでも面倒になれば権力でねじ伏せようとする貴族共を何度あいつらの好きな権力や実力でねじ伏せ返そうとした事か。
「……私はただ、研究が出来ればそれで良いのに。」
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