第13話

――芽衣子


傘を差して、

雨の中を歩く。

水たまりに映る自分の顔は、

ぼやけて、輪郭が曖昧だった。


作楪の声が、

静かに続く。


「混ざった色は、

もう戻らない。

でもね、

にじんだ色にしか、

出せない深さもある」


涙か、雨か、

もう、わからなかった。


好きだった。

今も、好きだ。

でも、

この気持ちは、

言葉にしないまま、

にじませるしかなかった。

スケッチブックのページに、

小さな染みが落ちる。


色は、

ゆっくりと、

境界を失っていった。

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