クソ野郎 好きでした
@sun68
第1話 クソ野郎
12月7日。たいして話したことがない大学の先輩からインスタのDMで連絡がきた。
その頃の私はバイト先のストレスで体も心もボロボロだった。そんな時に顔がギリギリ思い浮かぶ程度の人からの連絡。めんどくさい、ため息をつきながらやっとの思いで返信をした。それから毎日18時頃になると彼から連絡がきた。たわいもない会話が一週間ほど続いた。そして直接会った時も話す関係になっていた。始めは面倒だったDMがLINEになり私の気持ちも変化していった。通知が来ると微笑んでしまう自分がいる。連絡が続くにつれ彼との連絡は私にとってほんの少しだが心の支えになっていた。
12月25日。「メリークリスマス」と連絡が来た。スタンプも絵文字も無いところが彼らしいなと思った。何週間前から連絡が毎日ではなく時々になっていた。私から連絡をするのは勇気がでなかったので久しぶりの彼からの連絡はとても嬉しかった。
「メリークリスマス」と返信をし、その後少しだけ連絡が続いた。
「最近どう?」これに返信がこなかったのは寂しかったがバイト帰りだったので連絡のことはすっかり忘れて寝てしまった。
12月31日。0時00分に「あけましておめでとう」初めて自分から連絡をした。返信はこなかった。見返すとこの前の連絡も返信が無かった。
大学の友達に聞いた話によると元カノから連絡が来て復縁したそうだ。12月25日に。
少し期待していた。もしかしてと。恥ずかしい。
彼と連絡するのは楽しかった。文字から声から伝わる優しさが好きだったから。
1月2日。彼から連絡が来た。「会いたい」と。
彼はずるい。私がそれを言われ断るのがどれほどむずいか知らないのか。私も会いたいと、そう言いたい。彼女がいるくせによく私にそんな甘い言葉を。少し怒りもあった。自分を押し殺して「彼女さんに悪いよ(笑)」友達のように振る舞った。必死に、下唇を強く噛んで。唇がヒリヒリ傷んだ。後から聞いた話だと復縁した彼女とはうまくいかずたった一週間で別れたそうだ。もうどうでもいい。
1月10日。バイトを辞めた。無理をせずさっさと辞めていれば良かった。ふわっと心が軽くなった。ストレスから解放され前を向いて大学に向かえた。
彼だ。視線の先に彼を見つけたが、気づかないふりをした。最近できた彼氏と笑ってすれ違った。彼も彼女さんらしき人と笑っていた。
「クソ野郎」
心の中で彼に向けて叫んだ。もう彼に会いたいとは思わなかった。
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