第31話 月ヶ瀬 沙耶香 前編
「さて、それじゃあ本命と行くか」
俺はマジックポーチから金色のチケットを取り出し魔水晶の前の椅子に座る。
そして魔水晶の『ショップ』をタップし、【スレイブ購入】をタップ。
〈スレイブカタログ〉 〈スレイブ管理〉 〈壁尻サキュバス〉と表示されたので、スレイブカタログをタップした。
すると、ずらりとスレイブとなった女生徒や女教諭たちのバストアップ画像が表示された。
「おお、久々に見るな。相変わらず美人だな月ヶ瀬は」
俺はカタログの一番上のさらに一番左にいる月ヶ瀬の情報を確認する。
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【1級スレイブ】 2,000,000DP
月ヶ瀬 沙耶香 17歳 処女
T165 B87 W58 H88 Eカップ
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「相変わらず綺麗だし、良いスタイルだ」
胸も尻も大きいのにウェストが細い。
何よりもこの圧倒的な清楚感。
身も心も汚れまくっている俺には彼女の清楚さが眩しく、そして欲しくて堪らない。
それと挨拶程度でも話したことがあるというのがポイントだな。
普段挨拶している清純派美少女が、これから俺の性奴隷になるとか興奮する要素しかない。
「スタイルや美貌だけならカレンも対象ではあるが……アイツは
あのアメリカ人は学園の敷地内にある寮住まいなのに、何が楽しいのかわざわざ西門から出て毎日パンを咥えて遅刻ギリギリに正門に飛び込んでくるし。英語が通じるからと巡回中にやたらと話しかけてくるし。
スタイルは最高だし尻もデカくて好みなんだが、この狭い部屋であの元気いっぱい娘と二人きりは心休まる暇がなさそうだ。俺のこの殺伐とした毎日には、癒しが欲しいんだよ癒しが。
「ん? カレンは少し痩せたか? 前に見た時はもっとふっくらしていたと思ったが」
なんとなく顔がシュッとしたような。
よく見ると5級にいる太っていた生徒も痩せたように見える。
「なんだ? サキュバスクイーンは生徒たちは保管されていると言っていたが、どこかでダイエットでもさせられているのか?」
わからん。が、痩せたことでそこそこ可愛くなっている子もいるな。ただ胸が寂しいのは変わらないか。
「で? このチケットはどうやって使うんだ?」
カタログは開いた。が、いまだに左手に握っている交換チケットの使い方がわからない。
画面の前にチケットをかざしてみるが反応はない。
魔水晶の上に置いても同じ。
ならばと敷石の魔法陣に置いてみると、カタログに表示されている各級の横に書かれている価格が一斉に0DPとなった。
「おお、こうやって使うのか。しかし交換対象は1級だけじゃないのか」
1級以下の全てのスレイブと交換できるということらしい。
「まあ1級以外選択する余地はないんだが」
1級と交換できるチケットで2級や3級を交換する奴はいまい。
俺は当初の目的の通り月ヶ瀬のバストアップ写真をタップする。
〈1級スレイブの月ヶ瀬 沙耶香を購入しますか? はい/いいえ〉
確認画面が出てきたので迷わず『はい』をタップ……する前にパンツ一丁だったことに気づき慌ててスウェットを着る。
危なかった。月ヶ瀬に引かれるところだった。
そして改めて『はい』をタップすると、敷石の上に置いていたチケットが燃えて無くなった。
購入完了ということかと年甲斐もなくドキドキしながら待っていると、入口ドアの前の床に魔法陣が現れた。
そしてその魔法陣が光りそこに現れたのは月ヶ瀬……ではなかった。
「誰だ?」
俺は目の前に現れた、長い紫色の髪の巨乳サキュバスへと声を掛ける。
多分俺の眉間には皺が寄っているだろう。
当然だ、月ヶ瀬が現れると思ったらボンテージ姿のサキュバスが出てきたのだから。俺のドキドキを返せと言いたい。
「やっほー♪ 初めましてだねカリ高クン!」
「オイ! 俺はそんな名前じゃねえ、真田だ」
やたらとテンション高く手をあげ、満面の笑みで初対面の人間にカリ高クンとか呼ぶ目の前のサキュバスに俺のこめかみに血管が浮き出る。
どこかイタズラっ子ドMサキュバスを思わせる顔付きをしているが、彼女よりも大人っぽく感じる。人間なら大学生か新社会人くらいの歳か。しかし胸がデカイな。
「あははは、怒った? でもキミって有名でさ、初めて会った気がしないんだよね」
「俺が有名?」
「うん! ほら、壁尻を頻繁に呼んでるでしょ? それでフレイヤ様を筆頭に、みんなが優しくてえっちが上手くて名チン持ちで最高なテスターだって言ってるんだよ」
「フレイヤ?」
名チン持ちという単語に引っ掛かりを覚えたが、前後の文脈からどうせ名器の男版だろうと予想してスルーする。
それより俺のことを褒めているらしい、フレイヤという名前が気になった。
「あれ? 名前は出ないんだっけ? ほら、毎日呼んでる白髪のお嬢様っぽい子よ」
「ああ、あの高貴サキュバスか」
あの子はフレイヤという名前だったのか。
「あはは! 高貴ってまあ間違いじゃないけど。あの子上級サキュバスの御令嬢なのよ。キミが初めての男だったからかな、母親の権力を行使してキミに呼ばれるように予約してるみたい」
「なるほど、だから毎日現れるのか。まあ、なんとなくそんな気がしていた。それにしても彼女は初めてだったのか。もしかしてサキュバスには処女膜とかは無いのか?」
確かに初めて入れた時のあの膣内のキツさは処女特有の物だった。しかし出血した跡は特になかった。
「あははは! あるわけないじゃん! えっちしてナンボの種族よ私たちって」
「納得した」
なんというセックス特化種族。素晴らしい。
「まあそんなわけでフレイヤ様が固定化しちゃったから、リリなんてプンプンだったよ」
「今度はリリか……もしかしてピンクのドMの子か?」
話の流れからしてそんな気がする。
「あっはははは! そうそう! 男に一方的に責められるなんて経験が無かったから喜んでたよ。ほら、サキュバスって攻める側だからさ」
「まあ言われてみればそういうイメージの方が強いな」
エロ漫画でも男を誘惑して騎乗位で搾り取る描写が多いしな。
「それにキミは優しいから結構人気あるんだよね。特に経験の浅い子とかにさ」
「それで最近やたら怯えている子ばかりが来てたのか」
優しいかと言われるとそんな事はないのだが。ただ濡れてない女に入れても痛いだけだからな。自分が気持ち良くなるために前戯をしているだけだ。
「そうそう、他のテスターに酷い目にあったりしてね。まあソイツらは使えなかったらそのうち処分するから良いんだけど。でも一度そういうのに当たっちゃうと壁尻をやりたがらなくなっちゃうからさ、優しくて上手くて気持ちいいと評判のキミの所にラナノア様の命令で派遣したってわけ」
「そういうことだったのか」
何か物騒な言葉が聞こえたが聞かなかったことにしよう。しかしリハビリ要員扱いかよ。同じDP払っているんだがな。まあヤレないわけじゃないからいいが。
それよりもだ。
「また新しい名前が出てきたな。ラナノアってのは偉いサキュバスなのか?」
「あーほら、キミが毎回完敗している褐色肌の人だよ」
「あの色気ムンムンのお姉様がラナノアという名前だったのか」
まさか偉い人だとは思わなかった。だが納得だ。あの名器は普通のサキュバスじゃない。
「そうそうお姉様。若い子もみんなラナノア様をそう呼んで慕っているよ。だから誰も文句を言わないんだ。上級サキュバスってのもあるしね」
「彼女は上級サキュバスなのか。というかサキュバスも階級社会なんだな」
「そりゃそうよ、クイーン様がいるんだし。その下に上級サキュバスが複数いて、その令嬢たちが次かな。私やリリたちは普通のサキュバスだね。ちなみにキミがマンガってのを読ませたのはミアって名前で、生意気な子はアリアって名前だよ。彼女たちも普通のサキュバスだね」
「ミアっていうのか。あの子は癒されるな」
アリア? そんなメスガキは知らない子だな。
「わかるわかる。みんなにも妹みたいに可愛がられてるよ。アリアもいい子なんだよ〜? あっ、そうそう。ミアをえっち好きにしてくれてありがとね。男は初めてなのにいきなり抵抗できない壁尻をやるように言われてずっと怖がってたんだ。キミが最初の男でよかったよ」
「そうだったのか」
謀らずとも二人のサキュバスの初めての男になっていたとは。
こんな経験、俺しかしたことがないんじゃなかろうか?
「それにキミは将来性もあるし、今の内に唾をつけとこうって子も多いんだよね。それで毎回誰が次に行くかってモメるから、ラナノア様が順番を決めているんだ」
「将来性? まだ6階層に足を踏み入れたばかりだぞ?」
ほかのテスターたちに比べれば一番奥まで潜っている自覚はあるが、どう見てもまだダンジョンの上層だ。評価するの早すぎないか?
「到達階層というより、魔力の成長率だね。地球人って魔力の成長が早いみたいなんだよね。その中でもキミが頭三つ分くらい抜けてるんだ」
「ソロだからな。誰よりも多く魔物を倒してるから目立っているだけだろう」
「うーん、そうじゃないんだよね。ふふっ、キミは私たちと親和性が高いってこと」
「サキュバスとの親和性? 嫌な予感しかしないんだが」
魔族と親和性があるとか絶対に良いことじゃないだろ。
「そのうちわかるよ。さて、それじゃあキミが選んだ子は準備中だから、その間にスレイブの説明をするね」
「それが目的で現れたのか」
なんというおしゃべりな女だ。まあお陰でリリたちの名前を知れたから良いが。
「そうなんだけど、つい話し込んじゃった。まあ時間はまだあるから大丈夫。それじゃあまずスレイブなんだけど……」
そう言って紫巨乳サキュバスはスレイブの説明を始めるのだった。
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