露呈─完全犯罪の構造欠陥への応援コメント
賢いなでももう一つ不思議なことがあって返り血を浴びないようにとか普通のバカな強盗は考えないだろうとりあえず仕留めとくが正しいだから布団の上から刺したのも不自然と思った
作者からの返信
おにぎるてぃさん、コメントありがとうございます!
確かに一般的な強盗であれば、返り血や服の汚れなどは気にせず、とにかく相手を無力化する行動を取ることが多いと思います。その意味では、ご指摘の通りの見方も自然だと思います。
ただ、この作中では「布団の上から刺した理由」は、犯人が返り血を避けるためという意図として書かれており、読み直していただくとそこまで不自然ではない形にはしてあります。
強盗らしい行動と、計画犯の思考のズレが少しずつ露呈していく構造にしているので、そのあたりも含めて読んでいただけたのなら嬉しいです。
コメントありがとうございました。
露呈─完全犯罪の構造欠陥への応援コメント
企画にご参加くださりありがとうございます。
一見すると侮られがちな刑事が犯人を追い詰めていく倒叙ミステリ。刑事コロンボや古畑任三郎の系譜ですね。ゆるっとした東雲灯警部補がなかなか魅力的ですね。推理小説作家かが勝手に馬脚を現していくのも面白かったです。
企画主としての感想です。倒叙かあ……、読者が謎解きができるミステリじゃないじゃん、というのが第一印象でしたが、犯人が致命的なミスをしていてそれに刑事がいち早く気がつく。ではそれは一体何か? という謎が提示される構成で、倒叙でありながら謎解き、という珍しいパターンですね(わたしが知らないだけか?)。
で、犯人の行動をもう一度追っていくと、うん、犯人じゃなかったらまず最初は「これ」をするよなあ、という行動がすっぽり抜けていることに論理的に辿り着ける。ミステリとしてのフェアネスはしっかりあると思いました。
ただ、「直子は、私ではなく――廊下の奥を、一度だけ見た。」が、最後まで回収されてなくね? という気がするんですが。これが「なぜわたしの部屋に真っ先に来てくれなかったのだろう」という妻の疑問を表現している描写なのだとすると、ちょっとわかりにくいかなと。あとこれ、「私の計画は、観察に耐えるようには作っていない。論理にしか、耐えない。そして、彼女は論理を持ち込まない。――勝った。私は、そう判断した。」。論理にしか耐えないのに、論理を持ち込まない人相手では、むしろ負けるのでは?
ちょいちょい論理構造に齟齬があるのが、ミステリとしては惜しいなあ、と思いました。
作者からの返信
企画主として読んでいただけたことも、とても嬉しいです。
東雲灯のキャラクターや、倒叙でありながら「犯人のミスは何か?」という形で読者にも推理の余地が生まれる構成を面白いと感じていただけて安心しました。
また、犯人の行動を追い直すことで「普通ならまずこれをするはず」という欠落に辿り着ける、という点を読み取っていただけたのもありがたかったです。
ご指摘いただいた点についてですが、「直子が廊下の奥を見る描写」は、まさにおっしゃる通り“なぜ自分の部屋を先に確認しなかったのか”という違和感を、妻がすでに感じ取っていることを示す場面として置いています。少し分かりにくく感じられたのであれば、そこは表現の調整余地があるかもしれません。
一方で、論理構造の齟齬については、作者としては作中の行動順や心理のズレの中で回収されているつもりで書いている部分でもあります。
もしお時間があれば、犯人の「行動順」と「誰を先に気にするか」という視点でもう一度読み直していただくと、見え方が少し変わるかもしれません。
とはいえ、こうして細かく読み込んでいただき、具体的に指摘までいただけたこと自体がとてもありがたいです。
改めて、丁寧なコメントをありがとうございました。
露呈─完全犯罪の構造欠陥への応援コメント
小説として面白かったです。
主人公にして犯人である「私」が偽装工作を仕掛けていく展開は倒叙ものならではのスリリングさがありましたし、女刑事の指摘による論理の抜けで犯行が露呈するのも読み応えがありました。
読者は小説の中で展開されている場面について、やっぱり文章からしか読み取ることができないので、作中で展開される偽装工作の論理も矛盾がないもののとして一旦は受け取ってしまいます。そのため、書かれていない部分に対しては読者の意識外になってしまうこと、”すなわち犯人が〇〇を「しなかった」こと”そのものが犯行の露呈のきっかけとなる話作りが面白かったです。
これまでに「事件」のみを書いてきて、その実、「人間」を書くことはしてこなかった作者が招いたミスなのかもしれませんね。
ただ、犯行が露呈するに至る論理が若干弱い気がしたのが消化不良かなと感じました。
初読みですが、これから応援させていただきます。
作者からの返信
倒叙ものとしての緊張感や、「しなかったこと」が露呈のきっかけになる構造を面白いと感じていただけて、とても嬉しいです。
また、「事件は書いてきたが、人間を書いてこなかったことが綻びになったのではないか」という読みも、とても印象に残りました。
一方で、露呈に至る論理が弱く感じられたとの点ですが、この作品ではいわゆる「証拠による論破」というよりも、犯人の行動順序や心理の自然さ――つまり、人間が無意識に取るはずの振る舞いとのズレから崩れていく構造を意図しています。
そのため、物証を積み上げるタイプの解決より、やや違和感の残る読み味になっているかもしれません。
もしお時間があれば、そのあたりの「行動の順番」や「誰を先に気にするか」といった部分を意識してもう一度読んでいただくと、また違った見え方になるかもしれません。
初読で読んでくださり、さらに応援のお言葉までいただき、本当に励みになりました。
ありがとうございました。