主人公自身の憎しみ、憎悪から生み出された卵。
到底愛せるはずもないその卵は、しかし主人公に自分を愛せと。
「愛でよ」と強要し……!?
この作品では、800字ほどの文字数で、けれど主人公の置かれた背景にある因習、主人公の周りの人物の狂気や主人公が彼らから向けられた悪意、そして何より憎しみから生み出されたという謎の“卵”の最悪さが描き切られています。
書かれていないところすらも計算されているようで、鮮明に悍ましい想像が浮かぶところへの恐怖と、わからないところへの恐怖が合わさって大変上質な怖さを楽しめます。
そして……はい。
その全てを掻っ攫っていく衝撃。
もう圧倒的です。圧倒的衝撃。
全部が馬鹿馬鹿しくなって笑けてくるくらいです。
そのおかげか、この作品はホラーが苦手な方でも絶対に読めます。
むしろホラーが苦手な方にこそおすすめしたいです。
最後に襲ってくる衝撃は、最初の800字あまりでの恐怖が全て吹き飛ぶ爽快さですので。
ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、間違いなく素敵な作品です。
ぜひご一読ください!