第2話「家、お邪魔します」

翌日、約束の10時

既に鍵を預かってくれてる後輩を拾って、物件に向かう


迎えに行った後輩の家からは、車で20分

今の寮から10分ちょっと


道路を挟んだ竹林は、結構広い面積のようで

建物などは一切透けて見えない


家の周囲は結構開けてるが、柵を挟んで


古墳?


と言われるものが隣接

広々とした土地に囲まれ、ポツンと建つ結構目立つ家だ


家は確かに古い


写真だと大正くらいと思っていたが

下手をすれば、江戸末期か明治初期位に見える


古びてる、けどがっちりした作り


某昔話に出てくる庄屋さんとか

1からモノ作りをするアイドルが

移築した古民家みたい


全体的に黒に塗られ

雨戸が、全て閉まってるのもあって

一見要塞みたいな雰囲気


鍵を預かってきた後輩が

錠前を開け、家の中に入る


メーターボックスと分電盤があったので

確認したが、予想通り電気メーターが

撤去され、玄関から奥は陽の光が入らず真っ暗


仕事用のナップザックを持ってきていたので

中からLEDライトを出して、後輩にも渡す


しょっちゅう使うので、何個か積んでてよかったわ


土足OK


って事を言われたけど、流石に人様の家だし

今後、自分が住むかもしれんし

念の為、シューカバーを持ってきておいた


初めて使う後輩が履くのを手伝った後、

自分も履いて家の中へ


どれくらい人の出入りがないのか

床板には埃が堆積して、いくつか足跡が見えた

その足跡すらも埃が積もってきている


古い家だから気密も低いのか

色々なものが侵入しやすい故に

余計に堆積したのだろう


まずは窓側に向かっていく


縁側がぐるっと回って、雨戸があった

ガラス戸と雨戸の二重のようだ

しかし、どちらも動かない


建付けも悪くなって動かない

いくつかの窓枠を、順に力を込めて動かしてみる


ようやく

少しスムーズなものが、見つかった


多分10年、20年単位で

閉じられていた縁側


隣接した部屋にまで、陽が差し込む


その陽が差し込んだ先にある壁には

場にそぐわないものを見つけた


後輩は、それを凝視したまま

その場で固まってる


漏れ入る陽を受け、鈍色に鈍く光る

天井まで届く、巨大なレリーフ


それも木造の家の、畳部屋に


この世界のものではないのでは?

レリーフに感じる、強烈な違和感


「なんですかね?これ」


ようやく

我に返った後輩が、抱いた疑問は尤も


私も同感だ

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