人見知りで、自分が嫌いだった海月。
明るく、美人で、海みたいに広い心を持った洋美。
正反対だった二人は、クラゲの水族館へ行き、海を眺め、手を繋ぎ、少しずつ未来を描き始める。
――卒業すれば、同じ春が来るはずだった。
けれど、あの日。
海は、洋美を連れていった。
春なんてこなければよかった。
そこに居るのに、見えていないだけ。
大切な人は、いなくなっても消えない。
「……ねえ、クラゲ、好きなの?」
全部は、その言葉から始まった。
喪失は、克服するものじゃなく、
抱えながら生きていくもの。
だけどまだ、心から笑えることはない。
それでも海の近くで小さな店を開いた。
レモンが香る、とびきり美味しいカップケーキを焼きながら。
もし旅に疲れたら、いつでも戻ってきて。
私は、ここで――ずっと待っているから。
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主人公は高校三年生の海月さん。彼女は筆箱に付けているクラゲのストラップがきっかけで同じクラスの洋美さんと仲良くなります。
自分のことを地味で愛想がない、陰キャラだと言う海月さん。洋美さんはいつも明るくて前向きで、友達も多く美人さん。性格や考え方が正反対な二人は一緒に水族館に行ったりと仲を深めていきます。
海が好きだと話す洋美さん。彼女のお父さんは漁師で、洋美さんの名前はお父さんが付けてくれたのだそう。
楽しそうに父親のことを話す姿が好きだと言う海月さん。
二人の描写が印象的です。
だんだんと秋も深まりクラスは一気に受験一色に。
二人は同じ大学を目指して受験勉強に励みますが……。
切なくも読後は温かい素敵な作品です。
ぜひご一読を!